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『事大主義の復活』

木曜日, 3月 29th, 2018

金正恩の中国訪問、ようやく映像その他が出てきましたね。

映像を見る限り、北朝鮮は中国に全面降伏して中国を宗主国とする従属国になったようです。これでとりあえず身の安全だけは中国に保証して貰ったという所でしょうか。

事大主義というのは朝鮮の何千年の歴史を貫く政治思想です。事大(じだい)というのは大(だい)に事(つかえ)る、と読みます。力のある強国に無条件に従って忠実な属国として生き残りをはかるという考え方です。

朝鮮は明治30年に大韓国(後に大韓帝国)として独立するまでずっとこのような中国を宗主国とする従属国だったという歴史がありますから、ここでまた昔に戻るということでしょうね。

それにしても、属国になるにしてもその相手としてアメリカもロシアもあると思うのですが、よりにもよって中国を宗主国とするというのは、これも歴史と伝統のなせる業なんでしょうか。なにしろ今まで宗主国となるのはずっと中国だったわけですから。

もっともアメリカもロシアも民主主義国なので命の保証をしてもらえないかも知れないけれど、中国は民主主義国ではないから、習近平に頼めば命の保証だけはして貰える、と思ったのかも知れませんね。ただしその保証料がどれだけ高いものになるかはこれからのお楽しみでしょうけど。
韓国ドラマを見れば、属国だった朝鮮が宗主国の中国にいかにひどい目にあったか、という設定だらけです。

韓国では、この前文在寅大統領が訪中した時の冷遇に比べて今回の金正恩の厚遇が甚だしすぎるなんて話も出ているようですが、北朝鮮は属国、韓国は属国にならずに独立国であるかのようにえらそうにふるまっている、となったら、扱いの違いは当然のことかも知れません。

文在寅さんはもともと北朝鮮寄りの人ですから、今回の北朝鮮の行動を見て韓国も同じように中国の属国になろうとして動き始めるんでしょうね。

当初のアメリカの軍事力によって北朝鮮問題を解決するというのとはやり方が違ってしまいますが、これはこれで一つの解決かも知れません。北朝鮮が中国に従属するとなった以上、核兵器は全て北朝鮮から中国に運び出されてしまうでしょうし、核開発関係の施設は全て中国の管理下に移されるでしょうから、暴発の危険がかなり低くなりますね。

ミサイルは残るかも知れませんが、金正恩がいつまでも我慢できるとは思えないので、それはいずれ日本やアメリカを狙うのでなく、中国を狙うようになるんでしょうね。

中国の属国になるというのはかなり大変なことだとはいえ、北朝鮮の国民にとっては今よりはかなり状況が改善されるんでしょう。

韓国については属国が宗主国より豊かな生活をしているなんてことは許されないでしょうから、ちょっと辛い思いをすることになるかも知れませんね。

中国と北朝鮮・韓国の関係は興味深く見ていきたいですね。