石原都知事

10月 26th, 2012

石原さんが「都知事をやめる」と言いましたね。

新党を立ち上げ党主になるということで、賑やかになっていますが、まずは都知事をやめるということだけで良かったですね。これで東京都政もようやく少しはましになることが期待できます。

石原さんという人はお御輿に乗ることが好きなようですが、うまく乗るためには優秀な担ぐ人が大勢揃っていなければなりません。
石原さんが今までいた自民党にしても東京都にしても優秀な官僚が揃っていますから、誰がお御輿に乗ってもそれなりに自動的に動き出します。
これから作る新党にそんな優秀な官僚組織があるとも思えませんから、なかなかうまく動かないでしょうね。

また都知事では都のお金を使うことができたので好きなように大赤字を出すことができましたが、新党にはそんなにお金もないでしょうからお金を使うこともできず、石原さんも面白くないでしょうね。

この石原新党というのがいつまでもつか、石原さんがいつまで我慢できるか、見ものですね。

コーヒーの輸出で世界一

10月 26th, 2012

以前にも書きましたが、日本のニュースはあまり面白くないので海外のテレビのニュースを(NHKのBSで日本語で)見ています。

先日はベトナムのテレビのニュースで、ベトナムがコーヒーの輸出で世界一になった、という話をしていました。

私は大昔の知識でコーヒーといったらブラジルを初めとする南米とアフリカが生産国で、ベトナムでコーヒーを作っているなんてまったく知りませんでした。日本と同じ青々とした稲が植わっている水田のイメージしかありませんでした。

調べてみると何と生産高では確かにブラジルがダントツの1位ですが、ベトナムも堂々の世界第2位です。ベトナムはその生産高の殆どを輸出に回しているようで、輸出高は世界1になったようです。

そういえばコンピュータ言語のjavaというのはjavaコーヒーから来てるということなので、インドネシアなら納得できるんですが、ベトナムが世界1というのは本当に驚きました。

日本ではあまりマスコミで報道されていないようなので、紹介しました。

こんなことがあるので、海外のニュースは面白いです。

遠隔操作ウィルス

10月 26th, 2012

パソコンの遠隔操作ウィルスによる脅迫状の事件、大騒ぎですね。

その中で、ある学校ではせっかくの脅迫メールが自動的にジャンクメールに入れられてしまって、警察から連絡があるまで気がつかなかったという話がありました。これではせっかくの脅迫メールも何の効果もありませんから、たとえば身代金目当ての誘拐なんて場合も、脅迫状の送り方を考えないといけないですね。

で、その遠隔操作ウィルスに関して、このブログでも時々コメントしてくれるeikoさんがfacebookでそのための対策ソフトなるものを紹介していたので見てみました。
筑波大学発のベンチャー企業の「ソフトイーサ」という会社が発表した、パケット警察for Windowsというものです。
http://www.softether.co.jp/jp/news/121022.aspx

中味はもちろん遠隔操作ウィルスを防ぐとかやっつけるなんてことではなく、Windowsのパソコンの動作のログを自動的に記録するというもので、仮に自分のパソコンに遠隔操作ウィルスが入ってきて勝手に脅迫状をどこかに送ったとしてもその記録が全てログに残るので、自分の無罪を証明できる(かもしれない)、というソフトです。
この会社ではフリーウェアとして公開しているので、タダで使えるということのようです。

確かに考えてみると、サーバーや大型コンピュータではログというのはごく当たり前に取ることになっていますが、パソコンでログを取るというのはあまり聞いたことがありませんね。多分ログを取ったところで誰も見ないだろうからということなんでしょうが。

近頃のコンピュータは持ち主に何の断りもなく勝手にいろんなプログラムを動かして、それが使い勝手の良さだなんて宣伝しているんですが、私なんかは時々「このパソコンは勝手に何をやってるんだろう」なんて思うこともあるので、ログを見てみたい気もします。

このパケット警察で取るログというのは、どんなプログラムがいつ動き出していつ終わったかというログと、もうひとつは外部との通信で、どこに対していつ発信した、どこからいつ受信した、というログです。

サンプルで付いていたログファイルの例では1日あたり20~30メガバイトのログファイルができるようなので、私の使っている古いPCではあっと言う間にパンクしてしまいそうです。
一応そのためにハードディスクの残が1ギガを切ると、古いものから順にログファイルを消すことになっているそうですが。

なかなか面白そうなので、こんどはついでに「よくある質問と回答」の所を覗いて見ましたが、これが何とも面白かったです。

このソフト自体、実は内緒でパソコンのデータを警察に送信することを目的としているんじゃないか?とか、この会社は警察の回し者じゃないか?とか、遠隔操作ウィルスでログファイルを書き換えられてしまうのではないか?(回答は、ログファイルの修正にはAdministrator権限が必要だけれど、遠隔操作のウィルスではAdministrator権限が持てないということでした)とか、このログファイルを証拠として警察に提出したら警察が勝手に書き換えてしまうんじゃないか?(回答は、一般に警察官はそんなにITスキルが高くないので書き換えるなら誰かに頼む必要があるが、そうなると何人もの人が係ってきて証拠の書き換えがばれてしまうということでした)とか、さらには念のためにプログラムの実行ファイルの中味をダンプして見てみたら、通信関係の言葉がいろいろ出て来てログを取る機能とは関係なさそうなので、やっぱりこれは内緒で外部にデータを送るのではないか?(回答は、既存のプログラムを流用してこのプログラムを作っているので、このプログラムでは使ってないものも一部プログラムに混ざってしまったようで、本来的にはコンパイラやリンカが削除するはずのものなのに、Microsoftのリンカがそうしていないようだ、ということでした)とか。質問も回答もとても面白いものです。

最後にこのプログラムにはイースターエッグ(秘密のお楽しみ機能)はないのか?という質問に対し、4つ、仕込んである、という回答がありました。これらの質問や回答を見ると、どうも作者の自作自演のような気がしますね。

ついでにこれを開発した「登さん」という人のブログもちょっとだけ見てみました。するとこれもかなりマニアックで面白いもので、
内閣府と防衛省に「宇宙人から連絡・攻撃があった場合の危機管理マニュアルはあるか」と情報開示請求して「ありません」という回答を得た顛末とか、
お役所でお役人が仕事に関係ないソフトを使っていないか確かめるために、お役人が使っているパソコンのレジストリハイブファイルというものを開示請求して、「そのファイルは開示請求の対象の文書ではない」という回答を得た顛末とか。

Windows7のパソコンでWindows7を消してWindows95をインストールしようとしたら、パソコンが動かなくなり、仕方がないのでWindowsNT3.51をインストールしたらうまくいったんだけど、やっぱり使い勝手が悪いのでWindows7をインストールしようとして、普通にインストールしたんじゃそれまでの作業がムダになってしまうので、読めもしないアラビア語版のWindow7をインストールしようとして、アラビア語の右から左への横書きと普通の左から右への横書きで画面が左右逆転してるけれど、同じような画面だから何とかインストールできた顛末とか、
何ともわけのわからないことをして楽しんでいる記事で面白いものでした。

IT好きの人だったら楽しめると思います。

なお蛇足ですが、遠隔操作ウィルスについて「素人が購入することは考えにくい専門家的なソフト開発ツールを用いて」作成されていると報道されているようですが、そのツールというはVisual Studioのことのようです。ソフトを作る人にとってはごく普通の開発環境だと思うのですが、それでも「素人が購入することは考えにくい専門家的なソフト開発ツール」なんですね。

画面印刷

10月 15th, 2012

昔パソコンには「画面印刷」というキーがあり、そこを押すと画面がそのままプリンターから出てきました。

このキーは今でもあるのですが(「画面印刷」というより「PrintScreen」の方が普通かもしれません)、今ではそのままではプリンターから何も出てきません。画面のイメージ画像がクリップボードに貼り付けられるだけなので、これをプリンターから出すためにはワードとかエクセルとかパワーポイントとかのファイルにそれを貼り付けて印刷する、ということになります。

今の若い人はいろいろ紙になんか出さないで、画面で見て全ての処理ができるんでしょうが、私はとにかく紙に出さないとじっくり読めないので、何でもかんでも印刷してしまいます。

たいていのものは印刷できるんですが、時として印刷できない画面のレイアウトとか、わざわざ印刷できないように設定してあるpdfファイルなどにぶつかると、メンドクサイナーと思いながらこの作業を繰り返しています。

一応エクセルでは、クリップボードに貼り付けたイメージをエクセルに貼り付けて、印刷して、貼り付けたイメージを削除するという作業まではキー一発でできるようにマクロを組んでいるのですが、それでも印刷したい画面を出すソフトとエクセルの間を行ったり来たりするので、結構手間がかかります。

近頃仕事でかなり大量の画面を印刷する必要があり、何とか我慢して何時間かかけてその手順を実行したのですが、同様の作業をあと何回か繰り返すことになりそうなので、これを何とかすることにしました。

以前も何か良い手がないかな・・と思っていろいろ探したのですが、良いツールがみつからず、なければ自分で作ろう!と画面を印刷するソフトを作ろうとしてみたのですがなかなかうまく行かず、トライしては失敗するというのを何回か経験しています。

今回はいよいよどうにもならないので、改めてゼロスタートでプログラム作りをしてみたところ、結構簡単にうまく行きました。多分以前失敗したものよりスリムなプログラムになっていると思います。
これで画面の印刷はできるようになったわけですが、これにWindowsの「ショートカットの作成」と「ショートカットキーの設定」を組合わせると、それこそ昔「画面印刷」のキーを使っていたのと同じように、何かのプログラムを動かしている最中にいつでも好きな時にキーを押すだけで画面印刷ができるようになりました(とはいえキー一つではなく、Ctrl+Alt+文字とキーを3つ一緒に押すんですが)。

実際はそのプログラムと画面印刷のプログラムが交互に動いているのですが、使い勝手からすると単に「画面印刷」のキーを押しているのと同じような感じです。

まあ理屈の上ではできて当然の話が、うまく行かなかったのは私のプログラミング力の不足ということではあるのですが、私にとっては数年来の宿題が思ったより簡単にうまく解決したと嬉しくなって、この記事を書いています。

私のように何が何でも紙に出さなきゃという人は今ではあまり多くないでしょうが、そのような人で、もしまだうまい解決策が見つかっていない人がいたら、そしてもしご希望だったらプログラムをお送りしますから、お知らせ下さい。
「ショートカットの作成」と「ショートカットキーの設定」のやり方も一緒にお知らせします。

私はWindows XPで作成し、使っているのですが、多分他のWindows OSでもうまく動くんじゃないかと思います。

もしソースを見てみたいという方がいたら、私のソースはdelphiなんですが、ソースもお送りします。C系の言語やVBやjavaのプログラムがわかる方だったら、delphiのソースは簡単に読めると思います。開発の途中のいろんなウゾウムゾウも残ったままですけど。

北朝鮮

10月 9th, 2012

北朝鮮の兵士が上官2人を射殺して韓国に逃げてきた・・とニュースになってますね。

韓国や日本で大騒ぎしているのに、北朝鮮の方から今の所何も言って来ていないようで、何となく気持ちが悪いですね。

北朝鮮が何か言ってるのを見落としているんじゃないかと思ってネットで検索してみましたが、『金正恩が軍の視察をした』というニュースくらいで、韓国に対して『兵士を返せ』などという話はしていないようです。

マスコミでもこのような『ニュースがない』というニュースをきちんと報道してくれると嬉しいんですが。

この検索のついでに、北朝鮮の南西部で大規模な飢饉になっているというニュースが見つかりました。アジアプレスという所の報道で、日本のマスコミ等では報道されていないので、どこまで本当のことかどうかわかりませんが、本当だとしてもおかしくない状況だと思います。

食料を農民と軍人が奪いあっているというのも、取り分を増やす争いではなく、取られたら生きていけないという争いだと、悲惨ですね。

アクチュアリーの練習帳

9月 24th, 2012

このブログ、というよりこのサイトですが、もともと『アクチュアリーの練習帳』というタイトルで、それと同じタイトルの昔ながらの掲示板がついています。

この掲示板に久しぶりに投稿がありました。
http://www.acalax.info/bbs/wforum.cgi?no=3533&reno=no&oya=3533&mode=msg_view&page=0

質問の内容は積立利率変動型終身保険の保険数理についてのものなのですが、アクチュアリーの方、あるいは生命保険会社の商品開発に強い方など、もしよろしければ質問を読んでいただいて、できれば解答・コメントなど投稿していただけるとありがたいです。

近いうち解散

9月 12th, 2012

国会議員の先生方、もう選挙のことばっかりですね。

代表選・総裁選の前に解散総選挙をしてしまって、選挙後の姿で代表者や総裁を決めた方がすっきりすると思っていたんですが、政治家の先生方はそうは考えないようですね。
まず代表なり総裁なりを決め、執行部を決めて選挙に臨み、その結果を見て場合によっては執行部を変えるなり代表・総裁を選び直したり、という方が良い、ということなんでしょうね。

今の所民主党の代表選はすんなり野田さんで決まりそうなのですが、これが万一他の人が当選してしまったら、「近いうち解散」はどうなってしまうんでしょう。野田さん以外は「近いうち解散」をしようと考えている人はいないようです。

となると代表選・総裁選が終わり次の国会が始まって、野田さんでない民主党の代表が総理大臣になったら「近いうち解散」はなし、ということでしょうか。

それとも野田さんが約束を守るために、総理大臣を決める「首班指名」の前にまだ総理大臣の野田さんが解散を宣言するんでしょうか。

あるいは国会が閉会中(次の国会が始まる前)に解散するという手も考えられますが、wikipediaによると「そんな例はない」ということのようです。

維新八策

9月 10th, 2012

何か政治家の先生方、まだ衆議院の解散もないのに急に選挙モードに突入してしまったようですね。

民主党の代表選、自民党の総裁選と橋下さんの維新の会の国会議員集めで賑やかですね。

で、橋下さんの維新の会に入るための踏み絵となる「維新八策」なるものをちょっと見てみようと思ったら、ビックリしました。

「維新八策」というのは、龍馬さんの「船中八策」に倣って、なんて言われているのでその「船中八策」とか、それが元になって作られたと言われる「五箇条のご誓文」と同じようなものかと思っていたのが、まるで違いました。

とにかく文字がビッシリ書いてあります。詳しく読もうと思うほどの興味もないので、文字数をざっと数えてみました。

船中八策は八策の部分だけだったら240字。能書きの部分を入れても360字。五箇条のご誓文の方はさらに少なく5箇条の所だけだと115字。決意表明の部分を入れても180字ですから、どちらもすぐに読めるのですが、維新八策は何と5,000字もあります。

これを全部読んで、全てについて自分の考えがそれに沿っているかどうか確認する方も大変ですし、その人と話をして維新の会に入れるかどうか判定するのも大変ですね。

ということで、とりあえず文字数を数えて、この件は一件落着です。

ING

9月 10th, 2012

土曜日の日経新聞の朝刊1面に「ING日本撤退/生保、香港企業に売却へ」という見出しで、結構大きな記事が出ました。

土曜日のことだし、今頃紙の新聞を読む人もあまり多くはないかもしれませんが、昔INGにいた人間の一人として、ちょっとだけコメントします。

この記事、特にこの見出しですが、「嘘じゃないけど何だかなあ」という感じのものです。

確かにINGが日本の生保事業を売却しようとして買い手探しをしていたのは事実ですし、「売却」のことを「撤退」と表現するんだと言われればその通りかも知れませんが、この売却の方針はもう何年も前に決まっていたことで公表もされており、今更騒ぐほどのことではありません。

もし騒ぐとしたら、ようやく買い手がみつかったようだということと、それが名前の通っている保険会社や金融グループではなく香港の実業家グループになりそうだということと、売却額がたったの数百億円になりそうだとのことだ、というくらいです。

INGは例のリーマンショックの時に公的資金の注入を受け、それを返済するにあたり銀行と保険の総合的なグループであるものから、保険事業を切り離すことを求められていました。これはその当時公表され、日経新聞の記事にもなっていると思います。

INGというのは、今でもサッカーの国際試合なんかの時に良く見る、オレンジ色の「ING」の文字とライオンのマークの会社です。このオレンジ色とライオンというのはオランダ王室のシンボルで、日本で言えば「菊のご紋章」といったものです。

もともとINGというのは銀行のグループと保険のグループが合併してできたグループなのですが、その銀行の中心はポストバンク、民営化する前は国のゆうちょ銀行だったわけです。そのため民営化しINGになった後も、オレンジ色とライオンのマークを使い続けているわけです。

リーマンショックでダメージを受け事業を縮小して身軽になるにしても、女王様のポストバンクを売却することもできないので、保険の方を切り離して売却することになったわけです。

全体まとめてどこかに買い取ってもらうのでも切り売りするのでも、あるいはどうしても買い手がみつからなければ株式市場で公開して一般から多数の買い手を募るのでも何でも良いから、とにかくINGから切り離しINGの名前を使えなくする、というのが約束だったようです。

日本の生命保険事業は、逓増定期保険で経営の基礎を確立したのですが、その後変額年金保険の販売に注力し、他の変額年金保険を扱っている会社と同様、大きなダメージをくらってしまったということです。この売却額数百億円というのは安いなという気もしますが、変額年金保険のダメージが実際どれ位大きかったのかわかりませんから、何とも言えません。

また変額年金保険を売る過程で、オランダ本社との間でかなりの額の再保険取引もしているはずですが、この再保険取引の取扱についても外部からでは何もわかりませんから、なおさらこの売却額についてはコメントのしようがありません。

なおこの新聞記事を受けて、ING生命は例によって「まだ何も決まっていない」というリリースを出していますので、もしかするとこの話も何もなくなってしまうのかも知れません。

ING生命で働いている人にとっては、できるだけ早い時期に将来の方向性がはっきりする方が良いんでしょうが。

エネルギー・環境会議の誘導型世論調査

9月 7th, 2012

この前エネルギー・環境会議の話の最後に、討論型世論調査の事前配布資料の中の電力料金の話を書きました。

書いてから何となく釈然としないので、改めてもう一度この事前配布資料を見てみました。すると何と、この資料の基本的なメッセージは
—————————————–
3.11までは原発を使って環境に優しい安い電力を使ってCO2を減らしていこう、という考え方だったのが、3.11を契機として世の中は全く変わった。これからは原発をできる限り減らしていかなければならない
—————————————–
ということを当然の考え方として、その上でどのようにしていこうか、という議論をするための資料になっています。

もちろん言い訳作りのために『この資料に書かれていることに限らず、自由に資料等を調べて発言して下さい』とは書いてありますが、資料がこのように作られている以上、討論や専門家との質疑応答もこの方向性で行われたに違いありません。

だとすると、このエネルギー環境会議の『国民の過半は原発ゼロを望んでいる』の発表の時にマスコミで見た、討論の前後のアンケート結果がまるで違った意味を持ってきます。

その時の印象では討論の前から後へ原発0%、15%、20-25%シナリオを支持する人の割合は、0%を支持する人が少し増えたけれど、その分15%を支持する人が減って、20-25%を支持する人はほとんど変わらない、ということだったと思い、確認してみました。

以前読んだ時は単に、皆で話したけれどあまり変化はない、と言うくらいの感想だったんですが、改めて見てみると、これは政府がお膳立てをして『原発は減らさなきゃならない』という主張の下に勉強させられ討論をした結果として、『それでも意見は変わらない』ということですから、まるで意味が違います。

そのつもりで見てみると、この討論型世論調査というのは、マスコミが問題にするようないわゆるヤラセとは全くケタ違いに強力な『世論誘導型のヤラセ』だったんだ、ということが良くわかります。

何しろ全国から300人もの人に交通費・宿泊費・日当を払って集まってもらって会議をして、その『討論型世論調査』というのもアメリカの何とか大学で開発した手法だ、と言っているくらいですから、運営のためにもお金を払っているでしょうし、専門家と称する人に参加してもらうにもお金をかけているはずです。

このように政府が原発ゼロに向けて世論作りのために大金をかけて大掛かりな仕掛けをしたにも係らず、討論に参加した人のうちの13%の人は討論の前も討論の後も変わらず、原発20-25%のシナリオを支持したということで、日本人というのはなかなか頼もしいなと思いました。

こんな発見を独り占めにしておくのは勿体ないので、改めてお知らせすることにしました。

この『討論型世論調査』というのでは、何度もアンケートをやっています。

まず国民からランダムに抽出した約7,000人に対するアンケートがあります。これをT1(全体)と言います。次にその中の討論に参加することになった人約300人の分をT1(参加者)と言います。
この約300人の参加者の所に事前配布資料が届けられ事前に勉強してもらって、さて参加者が皆集まったところで討論の前にやるアンケートが、T2(参加者)です。さらに2日間の討論の最後に行うアンケートがT3(参加者)です。

同じような質問のアンケートに対して、T1(全体)・T1(参加者)・T2(参加者)・T3(参加者)で回答内容がどのように違うか、どのように変化したかというのが、この討論型世論調査のミソのようです。

上記のように、事前配布資料とそこから推測される討論会などでの強力な意見の誘導を踏まえてこの結果を見てみると、本当に面白いです。元となるアンケートの集計結果は同じでも、その意味するところは政府が発表しているのとはまるで違った姿が見えてきます。

本当はT1(参加者)からT2(参加者)・T3(参加者)に向けて、どんどん原発0%のシナリオ支持者が増えてくれることを主催者側は期待していたんでしょうが、まるでそうはなってません。結局ヤラセはほとんど機能しなかった、ということのようです。

興味のある方は、直接資料を見てみて下さい。
全てネットからカラフルなpdfのファイルの形で取ることができます。

この討論型世論調査の全体の説明は
『エネルギー・環境の選択肢に関する討論型世論調査 調査報告書』
というもので見ることができます。これは150ページ弱あります。
アンケート結果だけを見るには
『エネルギー・環境の選択肢に関する討論型世論調査 調査報告書(概要版)』
というのがあります(リンクのジップファイルの中にあります)。これは20ページほどのものです。
問題の事前配布資料は
『エネルギー・環境の選択肢に関する討論型世論調査 <<討論資料>>』
というもので、50ページ弱のものです。

お楽しみ下さい。