Archive for the ‘時事雑感’ Category

尖閣諸島の問題

金曜日, 8月 24th, 2012

尖閣諸島の問題、竹島の問題と、敗戦記念日をきっかけに色々にぎやかですね。

まずは尖閣諸島の問題ですが、中国人が尖閣諸島に乗り込んで『ここは中国の領土だ』と旗を振った、ということの何が問題なのか、考えてみました。

まず、『ここは中国の領土だ』と旗を振った、というのは、それが他の人にけがをさせるようなことでなければ別に犯罪でも何でもなさそうです。

首相官邸の前であっても警視庁の前であっても『尖閣諸島は中国の領土だ』と叫んだり中国の旗を振ったりするのは犯罪ではなさそうです。

その点、日本という国は世界でも珍しいくらい、何を言っても問題とならない国です(もちろんそれが誹謗中傷だったり個人情報や機密情報であったり、公序良俗に反することだったり、いくつか例外はありますが)。『尖閣諸島は中国の領土だ』というのが正しくても誤っていても、それを言うこと自体は犯罪ではありません。テレビなんかでは堂々と嘘八百がまかり通っているくらいですから。

とすると、あとは尖閣諸島に乗り込んだことが問題で、その乗り込むにあたって、パスポートやビザの提示、入国手続きをしなかったことが問題になる、ということになりそうです。すなわちこれは不法入国、という問題です。

不法入国、ということであれば、これはたとえば今にも沈みそうな漁船で夜陰に紛れて鹿児島や長崎の海岸に上陸してそのまま日本の中にもぐりこんでしまおうとする中国からの出稼ぎの人や、大型貨物船に隠れて日本の港にたどりつき、機会を見て日本に上陸しようとする南米からの出稼ぎの人なんかと同じです。
このような人は見つかり次第強制退去、強制送還される、というのが普通の取扱のようですから、今回の尖閣諸島に乗り込んだ中国人を強制送還した、というのはごく当たり前の対応です。

むしろ、このごくまっとうな対応に対して日本中が大騒ぎになった、その理由の方が興味がありますね。

対応はごくまっとうなものだったわけですから、それが大騒ぎになったその理由は法律的な話ではなさそうです。では何なのか、いまさら愛国心、なんてこともないでしょうし、領土問題、と言っても、北方領土や竹島はロシア人や韓国人が常駐している現状で、それに対して特に日本人が大騒ぎをする、ということもなく、じっくり時間をかけて解決しよう、としているようですから、あと考えられるのは、日本が実効支配しているところに中国人がやってきて、侵略される、という恐怖感なんでしょうか?

このように考えると確かに太平洋戦争に負けた後、日本は戦争を経験していませんから、戦争経験者はほとんどいません。それだけ戦争に対する恐怖感は強いと思います。

また、領土問題では戦後、奄美、小笠原、沖縄が返還された、という経験はあっても領土がなくなる、という経験はしていません。

北方領土や竹島はロシア人や韓国人が実効支配しているので、こちらから攻めていかなければ戦争になりませんが、尖閣諸島は日本が実効支配しているので、中国が攻めてきたときそれをあくまで守ろうとしたら戦争になってしまうかもしれません。

石原慎太郎さんなんかの威勢のいい発言なんかはもしかするとその恐怖心の現われだ、と考えればよく理解できます(櫻井よしこさんの方は、この人はどんなことがあっても恐怖心とは無縁な人のように思いますが)。

必要以上に怖がったり、恐怖のあまり過激な発言をしたりするのはあんまり賢いやり方とは思いませんが、これは理屈ではないのかもしれません(反原発と同じように)。

私は今の政府のやっているように、尖閣諸島に中国人が来たらその都度捕まえて送り返す、ということをいつまででも繰り返すことが当面、一番いい方策のように思います。現場の人は大変でしょうが。ここは一番、我慢です。

敗戦記念日と靖国神社

木曜日, 8月 16th, 2012

8月15日の敗戦記念日(あるいは終戦記念日)を迎え、内外とも(とは言ってもせいぜい日中韓の3国、もっと正確にはこれに北朝鮮、台湾、香港を加えたくらいのはなしですが)、色々にぎやかですね。

で、当然のように話題になるのが靖国神社なんですが、これについて以前アレッと思ったことを書いてみます。

私は日本のニュースはあまり面白くないので、よくNHKのBSの海外のテレビ局のニュースを日本語訳したものを見ています。
必ずしも時間をかけてじっくり訳すというより、むしろ同時通訳みたいな訳し方で、海外のテレビ局のアナウンサーの話すニュースが日本語になってくるんですが(英語だけじゃなく各国語のニュースですから、中国語・韓国語・ロシア語・ドイツ語・フランス語・アラビア語等々、通訳付でないととてもわかりません)、ある時靖国神社に関するニュースの時、通訳が『A級戦犯が祀(まつ)られている靖国神社』と言っていました。

我々日本人からするとこの言葉は特に何の違和感もなく、『靖国神社には戦争でお国のために死んだ軍人さんその他が何百万人も祀られていて、その中にはA級戦犯の10何人も入っている』という意味で理解するのですが、靖国神社のことをあまり良く知らない外国人がこの言葉を聞いたらどう理解するんだろうなと思いました。
『A級戦犯が祀られている靖国神社』というのは『10何人かのA級戦犯だけが祀られている靖国神社』、『10何人かのA級戦犯のためにわざわざ特別に靖国神社という神社を作った、その靖国神社』という意味に取ることもできない話じゃないので、もしかするとそう思われているのかも知れないなと思いました。

『A級戦犯が祀られている』というのを『A級戦犯祀られている』とか、『A級戦犯だけが祀られている』とか言えばそのあたりはっきりするのですが、単に『A級戦犯』と言うんだとそのあたりがはっきりしなくなっちゃいます。

もちろんその時のニュースはあっと言う間に流れていってしまいましたし、元々の外国のニュースが何と言っていたのかもわかりません。
仮に英語のニュースだったとしてもアナウンサーが言っているのを聞いてわかるほどの英語力も私は持ち合わせていません。

ですから今でもずっとわからないままなのですが、海外のマスコミが靖国神社の名前を出すとき、その形容詞としてどんな表現を使っているんでしょうかね。

もし仮に私が聞いていたように『A級戦犯が祀られている靖国神社』というような表現が使われていて、それを聞いた外国の視聴者が『A級戦犯を祀るために作られた靖国神社』というように理解しているとしたら、『日本人はA級戦犯を英雄視していて、今でも機会があれば第二次大戦のリターンマッチをしたいと思っている』という具合のあらぬ誤解をされてしまうのも、仕方ないことかな、と思います。

もしこのあたり、何かご存知の方がいたら教えて下さい。

反原発のケインズ理論

月曜日, 8月 13th, 2012

オリンピックも終わってしまいましたね。

サッカーが男女とも最後の試合は負けてしまいましたが、内容はどっちが勝ってもおかしくないようなもので、杉山・釜本の時代からサッカーを見ている者としては、日本も強くなったなと感心しています。

で、この週末テレビで、例の首相官邸を取り巻く反原発のデモの報道を見ました。普通のデモと違って特に誰が組織するでもなく、自発的な参加者が勝手に集まって勝手に「反原発」を叫ぶというなかなか面白そうなデモのようです。

面白そうだから1度見物に行ってみようかなと思いましたが、とりあえず暑いうちはちょっと遠慮して涼しくなってからにしようかと思いました。もちろん単なるやじ馬ですが、このような組織立っていないデモだとやじ馬と参加者の区別もつかなくて、やじ馬も参加の○万人の中にカウントされちゃうんだろうな、と思いました。

ここで本気でデモしている人達は、すぐにでも原発を全部止めて金輪際使うなということを言っているんですが、しばらくしてからおかしなことを思いついてしまいました。

その昔、アメリカの大恐慌の時、その対策としてとにかく公共工事をしろ、工事する所がなければ地面に大きな穴を掘って、できたらそれを埋め戻すという無意味な工事でも構わないから、というようなことをケインズが言った、というような話があります。

もちろん私はケインズなんぞというものは読んでませんから本当のことかどうかわかりません(多分、本当ではないような気がします)が、いずれにしても国債でも何でも発行してそのお金を大々的に使う。その使い途は何の意味もないお金をドブに捨てるようなことでも構わない、というような主旨のことを言ったのは本当のことのようです。

で、アメリカはこのケインズの理論に従ってテネシー川の開発その他の公共事業をやったのですが、規模が小さ過ぎてなかなか効果が現れず、仕方なく第二次大戦に突入して大々的な戦費の消費をして、今度は十分な効果が得られ、ようやく大恐慌から立ち直ることができたということになっています。

とにかく船や飛行機や戦車や銃や大砲を大量に作って、海に沈めたり、空から墜落させたり、陸上に壊して放置したり、銃弾や砲弾も使い放題に使って、また何百万人の兵隊さんをあっちに持ってったり、こっちに移したり、とにかく膨大な浪費をしたんですから、効かないわけがありません。

で、今回の反原発。デモに参加している人達はそんなつもりはこれっぽっちもないとは思いますが、要は膨大なお金をかけて作った原発を、使うこともしないでお釈迦にして、しかもさらに大金をかけてこれを壊してしまう。そしてその分大金をかけてわざわざ値段の高い電気を作る発電所を作るというわけですから、何となくケインズ流に似てます。

膨大な無駄使いを税金と電気料金で、いずれにしても国民全員で負担するんですから、大量に国債を発行して税金で返済するというのと同じようなものですね。

で、普段はケインズの教えに従ってもっとどんどん国債を発行して公共投資しろ、と叫んでいる経済界の人々が反原発に反対して、逆に公共投資は無駄だと言い税金を上げることに反対している人々が反原発で、より大きな無駄使いを主張しているというのも、面白い話ですね。

個々人の考えと全体としてのその結果の違いということを考えると、これも『神の見えざる手』なんでしょうか。
こう考えると、反原発、というのもなかなかいい手かもしれませんね。

解散・総選挙

木曜日, 8月 9th, 2012

いよいよ選挙ですね。

密約があるのないの、マスコミは騒いでいますが、密約があろうとなかろうと近いうちに解散・総選挙があるのは確実なようです。

これが鳩山さんが言っているんならちょっとあてにならないのですが、野田さんと谷垣さんが言っているんだから、「近いうち」は本当に「近いうち」なんでしょうね。

自民党の総裁選・民主党の代表選の心配をしているマスコミも多いですが、何考えてんでしょうね。総選挙の最中に総裁選・代表選をやるとでも思っているんでしょうか。選挙が終われば負けたら負けたで責任問題、勝ったら勝ったで選挙後の勢力争いで、いずれにしてもトップの見直しは避けられないんですから。

元々今回の選挙は鳩山さんの「少なくても県外」が破綻し、また事業仕訳で埋蔵金が見つからなかった時点で、すぐにでも実施する必要があったものです。
しかしその直後に震災・津波でそれどころではなくなってしまったので、しばらく先送りしてきたものです。

本来なら菅さんが民主党代表を降りた時に解散・総選挙すべきだったのがそうならなかったため、その間に野田さんがとりあえず消費税の引き上げだけは筋道を付けた、ということです。今だって早過ぎることはない、むしろ遅すぎる解散・総選挙です。

とはいえ民主党政権になってから今まで、それこそ色んな所がしっちゃかめっちゃかになっちゃってますから、どの党がどのテーマについて、何を主張するのか、ということがまるでわからなくなっています。
少なくとも民主党と自民党はいろんなテーマについて、賛否両論の人々が混在しています。
こんな中、どんな形で選挙運動をしたら良いのかわからないので、現職の先生方は大変でしょうね。

自民党の復活期待組の前回落選の先生方は「待ちかねた」という所でしょうが、準備は万全でしょうか。

橋下さんのグループも準備不足のまま選挙に突入ですが、多分時間があってもまともな準備ができたとも思えませんから、かえって言い訳ができて良かったかも知れません。

中小野党(自民・公明以外の他の野党をこう言うようですね)も、自分達が出した内閣不信任案がかえって解散時期を早めてしまう結果になって、今頃どう思っているんでしょうね。「策士、策に溺れる」といったところでしょうか。

小沢さんの「生活」は全国初の県連として岩手県連を作り、小沢さんが県連代表になったと昨日のニュースにありましたが、今日は民主党から生活に移った国会議員達が民主党の岩手県連の資金の大半を持って行ってしまった、というニュースが出てました。
その昔、自由党の時のお金だということですから、小沢さんは自分のお金だと思っているのかも知れませんが、普通に考えれば「持ち逃げ」ですよね。

その「生活」のホームページをみつけたので見てみました。まだまだ未完成の部分が多いようです。やはりお金がないんでしょうかね。

これで選挙に突入となると、大変ですね。

内閣不信任案

月曜日, 8月 6th, 2012

国会は内閣不信任案の提出でもめてますね。

『内閣不信任案』というのは、内閣総辞職か国会の解散を迫るための、野党が与党を攻めるための手段だと思っていたのですが、どうやら今回の内閣不信任案というのは、国会を解散させないための手段のようですね。
一応自民・公明以外の野党各党が言い出して、小沢さんの『生活』というのもそれに乗ることにした、という報道ですが、何となく言い出しっぺは小沢さんじゃないかなという気がします。

『生活』は解散となったら大幅に議員数が減ってしまいますから、今の議員数を基準にして政党助成金を貰うためには何とかして来年の1月まで解散を先送りする必要がありそうです。
自民・公明が内閣不信任案を出したら『反民主』ということで『生活』もこれに賛成せざるを得ませんが、そうするともしかするとそれが可決されて国会解散になってしまうかも知れません。
今のうちだったら、自民・公明は三党合意に縛られて内閣不信任案に賛成することができないのでこれは否決され、そうなると1国会で内閣不信任案は1回だけという慣例に従うとすると、もう自民党や公明党が改めて内閣不信任案を出すことができなくなります。『生活』も他の野党も、否決されるのがわかっていれば安心して内閣不信任案に賛成することができます。

民主党も、解散・総選挙となったら負けるのは明らかですから、自らすすんで解散はしないだろうと考えると、今の段階で内閣不信任案を出して国会で否決させて、その結果もう内閣不信任案を出すことができないようになることで一番喜ぶのは小沢さんの『生活』だということになりそうですね。

何食わぬ顔をして『誘われたから一緒にやる』なんて言っている小沢さん、なかなかの策士かもしれないですね。

北朝鮮

月曜日, 8月 6th, 2012

7月18日に台風7号が北朝鮮に向かっていると言う記事を書きました。

http://acalax.info/app-def/S-102/wp/?p=886

その後どうなったかなと思っていたら、この台風とそれに伴う大雨で、北朝鮮は大変なことになっているようです。
1週間ほど前に、かなりの死者(88人)が出て、家の浸水やら損壊、また農地が流されたり水に浸かったりで『北朝鮮の大部分の地域で大きな被害が予想される』と、北朝鮮の中央通信が伝えたということで、日本のマスコミ各社でも報道されています。もっとも北朝鮮の通信社の報道ですからどこまで正確なのかはわかりませんが。

これが、この週末のニュースでは改めて死者169人・行方不明400人となっていますから、合計600人くらいが死亡・行方不明です。大雨・洪水の被害としては大変な数です。
また、21万人が家を失った、ということも報道されています。日本のようにすぐに仮設住宅を用意する、というわけにも行かないでしょうから、この冬は大変なことになりそうですね。

600人というのは大変な数ですが、シリアの内戦の死者数は毎日100人くらいですから、これは1週間の死者の数と同じ位です。
シリアと北朝鮮は人口がだいたい2,000万人くらいで同じくらいですから、内戦でもないのに600人も死亡・行方不明というのは大変な話です。
また、内戦により毎週大災害と同じくらいの死者が出ているというのも、シリアの大変さがわかる話かも知れません。

この大雨の間、北朝鮮から送られてきていたのは、金正恩が実は結婚していてその奥さんと一緒にいろんな所に行っている、という映像と、遊園地に行って楽しそうに遊んでいる映像です。

こんな時に何やってんだ、という言い方もできますし、何もできないから仕方なく楽しそうにしてる、と見ることもできます。この遊園地の映像もいつのものだかわかりませんが。

前の記事を書いた時、別にこんな大被害を期待したわけでもないんですが、それが現実になってしまうと、自分のせいじゃなくても何となく気になってしまいますね。

で、このような被害にもかかわらず、あるいはこんな時だからこそなのか、ピョンヤンでは1日から『アリラン』の公演が始まって、皆で楽しんでいるようです。

アホな正義のお祭り

火曜日, 7月 24th, 2012

『赤信号、皆で渡れば恐くない』というタイトルでユーロ危機の話をしました。日本の反原発の騒ぎもこれだ!と書こうとして、やはりこれは『赤信号』ではないなと思い直しました。

『赤信号』の方はルールに違反しているという自覚みたいなものがありそうですが、原発に反対している人達はそんな後ろめたさなんてものは丸っきり感じられません。

テレビで毎週週末に首相官邸を取り巻くデモの参加者を見ても、電力会社が住民の意見を聞く集会で電力会社の社員が発言した、と怒っている人を見ても、どちらも興奮して酔ったような赤い顔をしているように見えます。

もちろんお酒に酔っているんじゃなく、正義に酔っているんだなと思います。

バブルがはじけた後、住専の後始末に関連して宮崎学さんが『地獄への道はアホな正義でうまっとる』という名著を出しました。
これはバブルの諸悪の根源である住専を懲らしめる正義の味方として、時代のヒーローだった中坊さんという弁護士を真っ向から攻撃する、正義の危なっかしさ・胡散臭さを書いた本です。

中坊さんはその後、住専をいじめるついでに詐欺を働いたということで正義の味方のヒーロー役を降りたのですが、降りることで詐欺罪の方も帳消しにしてもらって『起訴猶予』ということで起訴もされないので、もちろん有罪にもなりませんでした。

で、この宮崎さんの本は、時代の風に流されて何も考えずに正義を振り回すのは地獄への道だと言っているわけですが、今回の反原発は正にその「アホな正義」そのものです。とはいえそれが『地獄への道』ということでもないようです。
単にアホな正義の結果電気料金が上がり税金が上がりますが、それまでのことで、酔いがさめれば皆普通の生活に戻っていくんでしょうね。

先週末のデモでは鳩山さんまで登場したようですから、それもきっかけになってもうそろそろ皆が酔いから覚める頃なのかも知れません。
そういう意味では鳩山さんも総理大臣でさえなければ、本人の意図とは全く無関係になかなか面白い役割を果たす存在だなと思います。

私は60年安保というのは多分ニュース映画かなんかで見たんだと思いますが、70年安保はすぐ近くで野次馬として見ていたので、その盛り上がりに比べれば首相官邸前のデモなどチッポケなものだなと思います。

その70年安保でも真剣に活動していた人達が酔いから覚めると、皆大学を卒業して真面目なサラリーマンとして就職していったんですから、今の反原発というのも若者のエネルギー発散のための一つのお祭りなのかも知れません。

私はこの70年安保の若者のエネルギーが道を踏み外して地獄への道を突っ走ったのが連合赤軍事件で、70年安保にかなり遅れてエネルギーを発散できなかった人達が集まって地獄への道に突っ込んだのがオウム真理教の事件だと思っていますから、そのような事件を起こす代わりに首相官邸の前でお祭り騒ぎをするのであれば、それほど害にはならないかなと思います。

でもその中に良い年をした大人が入って行くっていうのは、どうなんでしょうかね。若者に迎合して入って行くというのもみっともないですし、良い年をしてまだお祭りを卒業できないというのも、なんだかなぁという感じです。

北朝鮮

水曜日, 7月 18th, 2012

台風7号が沖縄を通りぬけ、韓国・北朝鮮に向けて北上中です。
何年か前から台風が北に向かうたびに、北朝鮮にどれほどの被害をもたらすか気になるようになりました。とはいえ、そんなことはなかなか報道されることもないので、結果はわからないまま気になっているだけですが。

北朝鮮は4月にロケットを飛ばそうとして失敗して以来、次々に話題作りに努めています。
「核実験をやるぞ」と言ってみたり「韓国を攻撃するぞ」と言ってみたり、「第二次大戦の終戦前後の日本人の遺骨収集団を受け入れる」と言ってみたり、最近ではASEANの会議で「6カ国協議に参加する用意がある」と言ってみたり。

でも誰も話に乗ってこないですね。
中国は中枢部の主導権争いとユーロ危機のための輸出減のための経済危機でそれどころじゃないし、韓国もアメリカもユーロ危機とそれぞれの大統領選挙で忙しい中、日本は民主党のゴタゴタと反原発の空騒ぎですからのどかなものですが、それでも同じように北朝鮮の方には関心が向きません。

北朝鮮は世界中から注目されて援助してもらわないとやっていけない国になっているのですが、最近は誰も注目してくれないのであせってるんでしょうね。

昨日、軍のトップだった人を突然やめさせたと思ったら、今日は「金正恩が元帥になった」という発表をしています。
元帥になったお祝いに軍事パレードでもやるのでしょうか。

台風で大きな被害がなければ良いなと思ったり、被害が大きくて一気に北朝鮮の体制がひっくり返るなんてことにならないかな・・・なんて思ったりしています。

原発事故調査委員会

水曜日, 7月 18th, 2012

一昨日の日経新聞で原発事故調査委員会の記事が出ました。

政府の事故調査委員会が近々発表する最終報告書で「地震によって重要機器が損傷した証拠はない」と報告する予定だということで、これは国会の事故調査委員会が「地震による損傷の可能性は否定できない」として、地震によって事故が起こったとしているのと対立することになったということです。

国会の事故調査委員会というのは、まあ民間事故調査委員会より「まだましだ」というくらいのもので殆どあてにはなりませんし、この原発事故を「人災だ」などと言っている所を見ると、まともな論理的思考能力も持ち合わせていないことは明らかです。
この原発事故が「人災」だということになったら、あらゆる天災が全て「人災」ということになってしまうという簡単な理屈もわからないんでしょうね。

国会の事故調査委員会が「(東電が)事故原因を想定外の津波として片付けているのは受け入れ難い」、「地震による損傷の可能性は否定できない」ということで、証拠もなく根拠もなしに「地震が原因だ」と決めつけているのに対して、国の事故調査委員会の方はきちんと事実の積上げを行なって「地震によって重要機器が損傷した証拠はない」として、その上で簡単に結論を出さずに今後の調査の継続を求めています。まだ事故の現場のうちできちんと見ることができない場所もたくさんあるんですから、これは当然のことです。これこそ信頼できる科学的な調査です。

国の事故調査委員会の中間報告、年末年始の休みに読もうと思って結局途中で止まったままになっていますが、最終報告書が出た所で改めて全体を読んでみたいと思い、今から楽しみです。

権丈先生のホームページ

火曜日, 7月 17th, 2012

このホームページの右上の方に、読者数のカウンターがあります。これが先週急に増えたのですが、気がついたでしょうか。

この記事の3つ前に「厚労省のレポート」というタイトルで、年金の被保険者・受給者の年収に関するレポートについて、コメントしました。
年金の話なので、ちょっと見てもらおうと思って権丈先生にメールを送ったところ、先生のホームページで紹介してくれるということになり、その結果こちらのブログの読者数が急増したというわけです。

権丈先生というのは知る人ぞ知る慶應大学の商学部の先生で、年金や医療などに関して何かあるとすぐに方々からお呼びがかかって辛口の正論を誰に向かってもぶつける、学者にしておくのは勿体無いくらいの本物の学者です。
で、この先生のホームページ(http://kenjoh.com/)ですが、数年前から楽しませてもらっています。もしまだ見たことのない人がいたら、是非のぞいて見て下さい。
あまりビジュアル的でもないし、小難しい議論の文章ばっかりなので、とっつきはあまり良くないですが、じっくり読むと中味はなかなか面白いです。

「勿凝学問(学問に凝るなかれ)」というタイトルで論文を連作して、これもその都度ホームページで公開してくれるのですが、これがまとまると「再分配政策の政治経済学」というタイトルのちゃんとしたシリーズ本になる、ということになっています。

で、この先生は雑誌に書いた記事とか、自分が参加した座談会等の記事をすぐにpdfにして、このホームページから読めるようにしています。著作権その他、こんなことをして良いのかなとも思うのですが、タダで読めるんですから、有難く読ませてもらっています。

そのホームページで7月10日と12日の間の記事で紹介された「年金実務2000号記念座談会 年金制度の過去・現在と未来」(http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/20120711072227.pdf)という記事、これが素晴らしいのでお勧めします(全部で43ページもありますが、座談会なのでそれほど大量ということもありません。とはいえ中味は十分濃いので読み応えがあります)。

日本の公的年金制度の全体像について、特に近年話題となっているテーマについて、本当の専門家の議論です。
専門家同士の話ですから、かなりはしょっている部分もありますが、この議論全てについて何が議論されているのかが理解でき、話している内容が納得できたら、日本の公的年金制度についてちゃんと理解していると思って良いと思います。

何が議論されているかはわかるけれど話の内容が納得できないとか、何の話をしているのかわからないという部分があったら、そこの所を中心に勉強すると年金制度の理解に大いに役立つと思います。

その意味で「年金制度に関する理解度のチェックリスト」として、非常に有用だと思います。
特に若い人でこれから年金の勉強を始めようと思っている人には、是非お勧めします。

ここに登場する坂本さんというのは私とは別の人で、元厚生省のお役人のアクチュアリーで、頭のいい人ですから、この人の話と権丈先生の話はちょっと難しいかも知れませんが、その分十分噛み応えがあると思います。

権丈先生の天動説と地動説の話(年金の議論では若い学者が自信をもって天動説を主張するんだけれど、そのうち自分の誤りに気がついて地動説に宗旨替えしたり、年金の議論から身を引いたりする。その頃には次の若い人が天動説で颯爽と登場する、ということが繰り返し起こるということ)とか、共済年金の積立率が厚生年金より高いのは、過去においてそれだけ高い保険料を払ってきたからだ、なんてコメントは非常に面白いです。