Archive for the ‘時事雑感’ Category

進退きわまる

金曜日, 12月 17th, 2010

小沢さん、いよいよ本当に進退きわまってしまいましたね。
鳩山さんや輿石さんにも見放されつつあるようですから、もはやこれまで、でしょうか。

じっくり時間をかけてここまで見事に雪隠詰めにしてしまう、というのは岡田さんも菅さんもたいしたものですね。
うわさのように、後ろで野中さんあたりがアドバイスしているんでしょうか。

当面、年末年始で忙しい時期ですが、民主党・自民党の先生方はそれどころじゃなさそうですね。

サンデル教授の白熱教室

金曜日, 12月 17th, 2010

評判の「サンデル教授の白熱教室」というのを観てみました。

保険代理店のKENさんがいろんなテレビ番組の録画をしていて、どういうわけか間違ってその番組も録画されていて、仕方がないから見てみたらなかなか面白かった・・・と言って、DVDに落として持ってきてくれたんです。
会社のアカラックスでやっているセミナーがあまり面白くない(?)ので、このサンデルさん流のやり方でやってみたらもっと面白くなってお客さんも増えるんじゃないか、という親切心からのプレゼントです。

で、仕方なく見始めたのですがやはり面白くありません。こんな雑駁な議論に夢中になって付いて行く気にはどうしてもなれません。そのうちやっと気が付いたんですが、教授は「政治哲学」と言っています。哲学じゃないんです。政治哲学なら面白くないのが当然です。な~んだ、そうだったんだといった所です。

「哲学」というのは、たとえば「真理とは何か」とか「時とは何か」とか根元的なものについて、どうでも良いような議論をあーでもない・こーでもないと議論する、殆ど無益、でも無害なものです。これだったらちょっと暇つぶしに付き合っても良いかも知れません。
でも「政治哲学」というのはまるで違います。何らかの政治的主張をいかにして正しいもの、正義そのものと皆に思い込ませるかという技術を学問らしく見せているものです。議論が雑駁なのはそのようにして議論をある方向に導いていこうとしているんですから、当然です。私はこれほど有害なものはないと思います。

非常に毒性の強いものですから取扱いは厳重注意で、それが有害なものだということを知り、その毒に侵されないようにしなければならないということは知っておかなければなりませんが、それ以上、知ったり使ったりするものじゃないと思っています。

私は誰かをダマクラカソウとも思わないし、ダマクラカサレヨウとも思いませんから、政治哲学は基本的に「よけて通る」という対象です。
で、もちろんアカラックスのセミナーで参加者を丸め込もうなんてことも考えませんし(考えてもできそうもありませんし、参加者(特に常連の参加者)はハーバードの学生さんたちと違ってそう簡単に丸め込めるような相手ではありません)、サンデル流のセミナーにしようとも思いません(そんな演技力はなさそうです)。

私など戦後の生まれですが、第二次大戦の話を色々読んだりヒトラーのナチスの話を読んだり、安保闘争の話やべトナム戦争の話や色々見聞きしているので、それなりの免疫がありますが、そんな免疫がない若い人は「正義」なんて言葉に簡単に夢中になってしまうのかも知れませんね。

それにしても政治哲学の講義を「哲学講義」なんて言葉で表現しているというのは、誰が言っているのか知りませんが、かなりタチの悪いゴマカシですね。

法人税の減税

水曜日, 12月 15th, 2010

菅さんが頑張って、法人税の実効税率を5%引き下げるという方向がほぼ決まったようですね。
具体的にどうなるのかまだはっきりしませんし、すでに課税優遇制度の圧縮ですでに5%引き下げを半分くらい相殺してしまうような話も出てきていますが、ここはエイヤっと単純に5%引き下げるとしてちょっと簡単な計算をしてみたので紹介します。

この5%の引き下げで税収が1兆5千億円減少すると言っているので、1兆5千億円を5%で割って対象となる課税所得は30兆円ということになります。引き下げ前の実効税率が40%ということになっていますので、この30兆円に対する税金は12兆円、税引前利益と課税所得を同じとすると税引後利益は18兆円ということになります。
また法人税率を5%引き下げることによって企業は税負担が1兆5千億円減少するので、ここは菅さんのアドバイスに従って、税負担が軽くなる企業は思い切って2兆円、いろいろな投資や新規雇用や賃上げに充てるとします。まるまる2兆円経費が増えたとして、課税所得は30兆円-2兆円=28兆円。これに対して40%-5%=35%の税金がかかるので、それは9兆8千億円。税引後利益は18兆2千億円で、法人税率を引き下げなかったときの18兆円より2千億円多くなります。

企業にとって2兆円余計に使って税引後利益が2千億円増えるんですから、何の問題もないという見方もできるんですが、別の見方をすれば税引前利益は30兆円から28兆円へ2兆円も減益となり、法人税率の引き下げのお陰で何とか税引後利益は前年並みを維持したという姿にも見えてしまいます。

法人の決算を税引前利益で見るのか、税引後利益で見るのか見方の違いですが、現状ではまだまだ税引前利益にこだわりがあるんじゃないかと思います。
そうすると企業は余計な経費を使わないで税引前利益をしっかり確保し、法人税が軽くなった分は丸々「利益」として留保されてしまいそうです。

法人税収があれば、そこからお役人の経費やら何やら引かれるにしても、その一部は公
共投資その他に回って使われますが、税収がなければ投資も行なわれないことになります。法人税率を引下げた結果、かえって社会全体の投資額が減ってしまうかも知れません。
税金を取ってそれを投資に回すより、税金を安くしてその分投資に回すという方が政府の経費分だけ節約になるので、遥かに効率的になるというのはその通りですが、そううまくは行かないかも知れません。
なかなか難しい話ですね。

民主党の小沢さん

木曜日, 12月 2nd, 2010

民主党の小沢さん、最近目立ってますね。
とりあえず強制起訴の裁判を回避するための訴訟はあきらめたようですが。
政治活動の方で何とか目立とうと、いろんな所でがんばっているようです。

民主党の幹事長の岡田さんも、小沢さんの国会招致にちっとも積極的に動いていません。これはこのままほっぽっといて野党やマスコミの欲求不満を膨らましておいて、一気に国会の決議で証人喚問に持って行こうという高級戦略だとするとなかなかの作戦ですが、どうなんでしょう。

小沢さんも新しい議員グループを作ったり民主党の幹部批判をしたり、派手な動きをすればするほどもう昔の力がなくなってしまったんだなと思わざるを得ません。表に出てこない分何をやらかすかわからないというオッカナサは、殆どなくなってしまったようです。

国会解散・総選挙でもあれば仕切り直して、地元の得票で国民から支持されているなんて主張することもできるんでしょうが、支持率1%でも辞めないで頑張るといっている管さんは滅多なことでは国会解散はしないでしょうし、そのうち強制起訴の裁判が始まってしまうとますます苦しくなりますね。

管さんがだらしないから小沢さんだ・・などという無責任な議論もありますが、私としては管さんの言う通り、石にかじりついてでも、支持率が1%になろうと、そんなマスコミ誘導の世論調査なんかに惑わされずに頑張り続けてもらいたいなと思います。

日本航空の会社更生案

木曜日, 12月 2nd, 2010

日本航空の会社更生案、地裁の認可で決まったようですね。これで稲盛さんももう逃げるわけにはいかなくなっちゃいましたね。

自分が関わった更生案ですから、途中でおっぽりだすわけにはいかないでしょう。銀行はまだまだ先行き不透明で、資金の追加負担にはなかなかウンと言いません。そこで、必要だったら京セラから「人も出し・金も出す」ということになってしまったようです。

「京セラ」というのは稲盛さんが一人で作った会社みたいなものですから、生かすも殺すも勝手次第ということかも知れませんが、京セラを超優良企業と思って投資している株主にしてみれば、稲盛さんの道楽に京セラが巻き込まれてしまってニッチもサッチも行かなくなってしまうのは、御免蒙りたいという所でしょうか。

日航もとりあえず切るものを切って、見た目収益が改善したように見えますが、本当の所はどうなっているのか、外からはなかなかわかりません。
うまく再生が成功すると良いですね。

北朝鮮の砲撃

水曜日, 11月 24th, 2010

思いもかけず大砲の打ち合いが始まってしまいましたね。

テレビではいろんな解説者が様々に推測・憶測を解説してくれていますが、今の所、金正日・金正恩はまだ登場していないようです。

北朝鮮は金正日の後継者が金正恩であることを正式に発表したということになっていますが、後継者が明確になって権力の移譲がまだ行なわれていないという状況が一番不安定だというのは、様々な歴史が教えてくれるところです。

権力のありかが二つになってしまったので、どちらが決定権を持つのかはっきりしなくなり、本人達も周りも振り回されることになります(権力者である親が後継者である子を殺したり、後継者である子が権力者である親を殺したり、歴史小説などを読めば山ほど実例がみつかります)。

まずは金正日や金正恩が今回の件に関していつ・どんな形で姿を出すか、あるいは出さないかで、何が起こったのかわかるかも知れません。

北朝鮮はこの夏の大洪水でかなり被害が出たはずなのにもかかわらず、後継者発表のための代表者大会だとか朝鮮戦争60周年記念の軍事パレードとかかなり無理していますから、この冬を本当に乗り切れるかどうか正念場じゃないでしょうか(この冬を乗り切れたとしても、次の冬を乗り切れるということにはなりませんが)。

韓国も中国もアメリカも、ついでに日本も、そろそろ本気で朝鮮戦争を終わらせる(すなわち北朝鮮を終わらせる)具体的なシナリオに着手する覚悟が必要じゃないでしょうか。
それによって、それぞれが抱える様々な国内問題も、とりあえず棚上げすることができることですし。

COP16

月曜日, 11月 22nd, 2010

COP10が終わったと思ったら、今度はCOP16の記事が新聞に載っていました。COP10というのは、この前終わった「生物多様性」のCOP10です。COP16というのは、「地球温暖化」のCOP16です。

COPというのは「締約国会議」ということで、多国間の条約を結んだ国が集まって会議をするということで、10とか16とかいうのは10回目とか16回目とかいう意味です。ですからCOP10というのは単に第10回会議というだけのことですから、これだけでは何の会議かわかりません。今度COP16になる地球温暖化も、何年か前にCOP10をやっていたはずです。

ですから正式には「〇〇〇のためのCOP**」といわなきゃいけないはずなのに、肝腎の「〇〇〇のための」を省略して「COP**」の部分だけじゃ何のことかわからないはずです。

でも日本のマスコミはすぐにCOP10だのCOP16だのと言って、それがどの会議かということくらいは、COP10ならどの会議、COP16ならどの会議とすぐにわかるようにしておけと読者・視聴者に押し付けているようにみえます。これはやはりマスコミの怠慢あるいは横暴じゃないでしょうか。こちらも忙しいんですから、いちいち何の会議が何回目かなんて覚えているわけがありません。何しろ会議の回数はその都度どんどん増えていくんですから。

今開かれている国会だって、第何回の国会だなんてことを意識している人はほとんどいないでしょうし、オリンピックやサッカーのワールドカップだって、どこでやった(やる)大会か、というのは覚えていても第何回の大会かなんてことを知っている人はよっぽど好きな人だけでしょう。

で、マスコミにはもう少し丁寧に「〇〇〇のための」を付けてもらいたい、「**回目」なんてのは言わなくても構わないから、と言いたいのですが、まぁ聞いてはもらえないでしょうね。

民主党の閣僚の問題発言

月曜日, 11月 22nd, 2010

法務大臣がついに辞めさせられることになったようですね。

仲間内の会で軽口をたたいたら、「国会軽視」だと袋叩きにあってやめざるを得ない所まで追い詰められたようだです。
国会軽視だというのであれば、その発言を国会でした時に問題にすれば良いのに、それをしないで外の会合で言ったことを盾に取って国会での発言を問題にするというのは、どうも筋が違うような気がします。

「個別の事案について・・・」にしても「法と証拠にもとづいて・・・」にしても、その発言だけじゃ問題にすることができないから、問題にならなかったんでしょう。法務大臣がどんなつもりでこの言葉を使ったのかはわかりませんが、議論というのは言葉でやるものですから、「どんなつもり」ということでなく、「どんな意味」ということで議論しなきゃならないものでしょう。
もしこの発言が問題だったら、その場で「どんな意味ですか」と質問すれば良いはずです。まさか「こう答えておけば良いと言われていますから」なんて答えは返ってこないはずですから。

でも国会の会議に議論を期待する方が間違っているんですね。与党も野党も議論するつもりなんかこれっぽちもないんですから。閣僚の足を引っ張ってやめさせればそれが野党の得点になるというシステムのようですからね。

仙石さんが「自衛隊は暴力装置」といったのに大騒ぎして撤回させたというのもその伝でしょう。自衛隊が暴力装置なのは当然のことで、警察も海上保安庁も裁判所も刑務所も暴力装置であるのは当然でしょう。人を閉じ込めておいたり強制的に働かせたり、あるいは死刑だといって殺したりするのは、暴力以外の何物でもありません。

「暴力」だということをまずきちっと認識しておいて、その上でその暴力の暴走をどのようにコントロールするかと考えるのがまっとうなやり方ですが、暴力を暴力でないなどと言い換えたりしているとコントロールが効かなくなってしまいそうな気がするんですが、国会議員の先生方は何を考えているんでしょうね。
もし自衛隊の人達が自分達のことを暴力装置だと言われて腹を立ててるんだとしたら、むしろその方が怖いんじゃないでしょうか。戦前の日本で帝国陸海軍の軍人さんに「暴力装置」なんて言ったら、どんな酷い目に遭わされたかわからないなと思うと、この言葉を非難して大騒ぎした人達がちょっと心配ですね(とは言えその人達もそれほど本気で考えてのことじゃなくて、単に仙石さんの足を引っ張ろうとしただけでしょうから、あまり心配するほどのことじゃないでしょうが)。

自衛隊にしても警察にしてもほとんどの人は自分たちが暴力装置であることをしっかり自覚して任務についてくれていると思いますので、国会議員の先生方のたわごとは別に気にしなくてもいいのでしょうが。

北方領土

月曜日, 11月 15th, 2010

菅政権、マスコミにさんざん叩かれてますね。
特に外交問題で、尖閣諸島にしろ北方領土にしろTPPにしろ、ボロクソですね。
私はみんなそれなりに、なかなかうまくやっていると思っているんですが。

ロシアの大統領が断わりもなしに北方領土に行ったのがケシカランと大騒ぎですが、むしろこれはチャンスだと私は思います。
マスコミは北方領土は日本のものなんだから、すぐにでもタダで日本に返すべきだと思っているのかも知れませんが、戦争で負けて取られてしまった領土ですから、返してもらうにはそれなりの対価を払うのは当然でしょう。沖縄返還の時だってアメリカにかなり払ったはずですし、今も払い続けているのかも知れません。

民主党が政権を取って鳩山さんが「北方領土の解決」と発言した以上、ロシアとしてはどれ位払ってくれるのか、かなり期待が高まったのじゃないでしょうか。でもそれ以来民主党政権から何も言って来ないので、催促の意味で大統領が訪問してみせたということでしょう。

要はロシアとして「早く値段を言ってよ」ということでしょう。そうでなければ大統領が用もないのにわざわざ北方領土に行くわけがありません。
日本としては返してもらいたい。ロシアとしては値段次第で返しても返さなくても良いということであれば、最初に値付けをするのは日本の方でしょう。
日本のマスコミも日本人の多くもあまり意識していないようですが、日本は今でも世界有数の経済大国ですから、ロシアなんかにすれば喉から手が出るほど早く値段交渉に入りたいことでしょう。
でも日本の方はどうかと言えば、いくらと言えば良いかどころか、お金を払って返してもらうという意識すらまだまだといった段階ですから、菅さんも身動きが取れないでしょう。鳩山さんはどうせ「友愛」で返してもらえる、くらいの考えで、値段のことなんか考えてはいなかったでしょうから。

これを機会に、どんな値段でどんな条件で返してもらうかという議論が行われれば良いのですが、今のマスコミの情報を見ていると、何の議論もしないで管さんの弱腰を攻め立ててお終いということになりそうですね。

ビデオ流出

金曜日, 11月 12th, 2010

尖閣のビデオ流出事件、大騒ぎですね。
日本では大騒ぎですが、中国の方は落着いたのでしょうか。あまりニュースが入ってきませんね。

海上保安庁の保安官(何かカッコイイ名前ですね)が自分がやったと言って、警察はまだ逮捕もできずに事情聴取を重ねていますが、国会では責任問題議論で大変なようです。
海上保安庁長官をやめさせるとか、国土交通大臣をやめさせるとか言ってますが、一体何のためにやめさせるんでしょうね。

内閣の方は、情報流出は「国家機密の漏洩だ」と言っているんですから責任問題になるのはわかるんですが、野党の方は早くビデオを公開しろと言っていたのが公開されて、国土交通大臣に何の責任を取らせようというんでしょう。

ビデオを流出させた保安官が「正しいことをした英雄だ」というなら、別に誰も責任を取る必要はなさそうに思うのですが。