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ユーロ危機・・・その3

木曜日, 10月 27th, 2011

ギリシャの国債をきっかけとする「ユーロ危機」、いよいよ切羽詰まったようですね。

問題は、ギリシャの財政破綻に起因するこの問題を、誰がどれだけ負担するかということです。

もちろんきっかけはギリシャの国債の問題ですから、ギリシャの国とその国債の持ち主は負担を免れません。ギリシャの国の負担というのは、ギリシャの国民の負担ということになります。

さらにこれは通貨ユーロの問題に直結しているので、ユーロに参加しているいわゆるユーロ圏の国も負担を免れません。

さらにこれは通貨ユーロにとどまらず、欧州連合EUの問題でもありますから、ユーロに参加していないEU加盟国も負担を免れません。

さらにギリシャ国債を持っている銀行の負担が資本を脅かすようなことになると、その銀行のある国も、その銀行救済のための負担を免れません。

さらに、ユーロ参加国、EU参加国だけでは十分な資金負担ができないとなると、他の国にも資金負担を依頼しなければならなくなります。

またギリシャ国債を持っている銀行の資本不足の問題となると、その銀行のある国の銀行システムの問題となりますから、その銀行と同じ国の銀行は、ギリシャ国債を持っていないとしても資本増強のための負担を強いられます。

このように負担する方は際限もなく広がるのですが、問題は誰がどれだけ負担するかという「負担額の分担」の話になります。

誰でもできるだけ自分の負担を小さくしようと考えますので、その段階で折り合いをつけるのが非常に難しくなります。直接的な負担者が多ければ多い程、折り合いをつけるのが難しくなります。そして別々の国がからむと、それぞれの国民が利害関係者になりますので、なおさら話が厄介です。

それぞれの国の負担は、ユーロ参加国、EU参加国としての負担と、ユーロ危機で資本増強が必要な銀行を抱えた国としての負担の両方です。

イギリスではもうEUからさっさと脱退すべきだという議論が出てきているようだし、ドイツでは危なっかしい国はさっさとユーロ圏からもEUからも追い出してしまえという議論が出てきています。

今まで参加国を増やすのを急ぐあまり危なっかしい国もどんどん参加させ、危なっかしい国を追い出すルールをあまり厳密に適用してこなかったツケがまわってきたということでしょうから、そう簡単には決着がつきそうにありません。

1兆ユーロなどという金額が平然と取りざたされるようになり、しばらく前のリーマンショックよりはるかに大きな問題だということが明らかになりつつあります。
当分目が離せないですね。