2013年8月20日 のアーカイブ

芦部さんの憲法 その3

2013年8月20日 火曜日

前回のコメントで、現行の憲法の97条について、置き場所を間違えたんだとか、97条に置くことによりこの部分は変えてはいけないということを表しているんだとか書きました。そのコメントをアップした後、念のためにどこに書いてあったか確かめておこうと思ったのですが、芦部さんの本にそれを書いてある場所がみつかりませんでした。

まさか私のこのコメントを読んで、芦部さんの憲法を実際に読んでみよう、なんて酔狂な人はいないと思いますが、万が一そんな人がいてあの97条の話はどこに書いてあるんだなんて言われたら困ってしまうので、念のために確認しておこうと思ったのが、予想外の展開になってしまいました。

何度か確かめて、みつからないので「これはチョット困ったことになったな」と思ったのですが、ハタと思いだしたのが、この芦部さんの本を読んでわからない所を質問したときに、この本を持って来てくれた弁護士さんが送ってくれた「四人組憲法」の一部分のファックスのことです。

「四人組」なんていうと、つい毛沢東の「四人組」を連想してしまいますが、この「四人組」というのは芦部さんのお弟子さんの憲法学者が四人で書いた憲法の教科書のことで、4人の名前をいちいち挙げるのが面倒なので「四人組」と言っていて、憲法を勉強する人なら「四人組」というだけで通じるくらいに有名な本のようです。

四人とも芦部さんのお弟子さんで、芦部さんの考えをそのまま引き継いでいる人達なので、この本の中味も「芦部さんの憲法」と言っても良いということのようです。

で、ファックスしてもらった「四人組憲法」の最後の部分に、この97条の話が書いてありました。そこにはわざわざ芦部さんもそう考えているということも書いてあったので、これで私の書いたのは間違いなかった、と安心しました。

で、この「四人組」の97条の話のちょっと前に、憲法が最高規範だという話が出ていて、
『憲法が軟性憲法(変えやすい憲法)であれば、その憲法は最高規範だとはいえない。これに対して憲法が硬性憲法(変えにくい憲法)であれば、その憲法は形式的効力の点で最高規範としての性格を持つ』
と書いてあります。

この中味はこの前書いた芦部さんの本の
『憲法が硬性憲法であれば、その憲法は最高法規である』
というのと何となく似ているんですが、同じようでもあり違うようでもあり、どうも良くわかりません。

芦部さんの本は「最高法規」、四人組の方は「最高規範」という言葉が出てきています。芦部さんの本には「最高規範」という言葉は(索引で調べる限り)出てきません。四人組の方は「最高法規」という言葉は(少なくなくともファックスしてもらった範囲内では)使われていません。

またその意味も、「最高法規」というのは「これに反する法律は全て無効だ」というような意味で、「最高規範」というのは「全ての法律を根拠付けるものだ」というくらいの意味で、同じようでもあり別物のようでもあります。

また四人組の『憲法が軟性憲法(変えやすい憲法)であれば、その憲法は最高規範だとはいえない。これに対して憲法が硬性憲法(変えにくい憲法)であれば、その憲法は形式的効力の点で最高規範としての性格を持つ』も、なんとなく『AならばBでない。だからAでないならBだ』と言っているようで、この言い方は論理的には間違いなんですが、その論理的な間違いを主張しているようでもあり、そうでないようでもあり、何ともすっきりしません。

論理的に書かれていない本を論理的に読もうとすると、何ともヤッカイです。
とはいえ、このあたりはそれほど本質的な話ではないので、とりあえず保留として先に進みます。

GDPの成長率と消費税

2013年8月20日 火曜日

先週、GDP(国内総生産)の成長率の速報値が発表されました。マスコミでは相変わらず実質の成長率しかみていないようですが、私はこの低金利・低インフレあるいはデフレの環境では実質値というのは殆ど無意味だと思っているので、名目値の方を見ようとして内閣府の発表資料を見てみました。

四半期ベースの名目GDP成長率は季節調整済の値で前期比0.7%の伸びで、1年前の四半期からの四半期毎の伸びは△0.8%・△0.9%・0.1%・0.6%・0.7%と順調に増えています(マスコミ流に実質ベースで見てみると、△0.2%・△0.9%・0.3%・0.9%・0.6%とギクシャクしていますが、それでも概ね増えています)。

このGDPに海外からの所得を加えたGNI(国民総所得)で見ると(当然名目で見ます)、四半期ベースの成長率は△0.7%・△0.9%・0.2%・0.6%・1.4%と、景気が良くなっているのが一層わかります。

これらの伸び率、四半期ベースを年率に直すと名目GDPの伸びは2.9%、名目GNIの伸びは5.9%となっています。

ここまで来ていれば、消費税引き上げは問題なさそうです。

景気が良くなりつつあるようだけれど給料の方はまだ上がらないという話については、雇用者報酬の方を見ると、これも四半期ベースの名目の雇用者報酬の前期比が△0.7%・0.2%・△0.2%・0.6%・0.3%となっており、前年同期比で見ても1%(実質ベースだと1.4%)と、すでに増加が見えてきています。

景気が回復する、というのは、最初に生産が増え、その為に雇用が増え、そのあとにようやく給料が上がる、という順番になっています。雇用者報酬が遅行性の指標だ(すなわち他の指標より遅れて景気回復の姿を示す性格がある)ということを考えれば、とりあえず当面の景気回復は確実なようです。

消費税引き上げがはっきりすれば、景気回復もさらに一層はっきりするんでしょうね。