日本航空の会社更生案

12月 2nd, 2010

日本航空の会社更生案、地裁の認可で決まったようですね。これで稲盛さんももう逃げるわけにはいかなくなっちゃいましたね。

自分が関わった更生案ですから、途中でおっぽりだすわけにはいかないでしょう。銀行はまだまだ先行き不透明で、資金の追加負担にはなかなかウンと言いません。そこで、必要だったら京セラから「人も出し・金も出す」ということになってしまったようです。

「京セラ」というのは稲盛さんが一人で作った会社みたいなものですから、生かすも殺すも勝手次第ということかも知れませんが、京セラを超優良企業と思って投資している株主にしてみれば、稲盛さんの道楽に京セラが巻き込まれてしまってニッチもサッチも行かなくなってしまうのは、御免蒙りたいという所でしょうか。

日航もとりあえず切るものを切って、見た目収益が改善したように見えますが、本当の所はどうなっているのか、外からはなかなかわかりません。
うまく再生が成功すると良いですね。

北朝鮮の砲撃

11月 24th, 2010

思いもかけず大砲の打ち合いが始まってしまいましたね。

テレビではいろんな解説者が様々に推測・憶測を解説してくれていますが、今の所、金正日・金正恩はまだ登場していないようです。

北朝鮮は金正日の後継者が金正恩であることを正式に発表したということになっていますが、後継者が明確になって権力の移譲がまだ行なわれていないという状況が一番不安定だというのは、様々な歴史が教えてくれるところです。

権力のありかが二つになってしまったので、どちらが決定権を持つのかはっきりしなくなり、本人達も周りも振り回されることになります(権力者である親が後継者である子を殺したり、後継者である子が権力者である親を殺したり、歴史小説などを読めば山ほど実例がみつかります)。

まずは金正日や金正恩が今回の件に関していつ・どんな形で姿を出すか、あるいは出さないかで、何が起こったのかわかるかも知れません。

北朝鮮はこの夏の大洪水でかなり被害が出たはずなのにもかかわらず、後継者発表のための代表者大会だとか朝鮮戦争60周年記念の軍事パレードとかかなり無理していますから、この冬を本当に乗り切れるかどうか正念場じゃないでしょうか(この冬を乗り切れたとしても、次の冬を乗り切れるということにはなりませんが)。

韓国も中国もアメリカも、ついでに日本も、そろそろ本気で朝鮮戦争を終わらせる(すなわち北朝鮮を終わらせる)具体的なシナリオに着手する覚悟が必要じゃないでしょうか。
それによって、それぞれが抱える様々な国内問題も、とりあえず棚上げすることができることですし。

COP16

11月 22nd, 2010

COP10が終わったと思ったら、今度はCOP16の記事が新聞に載っていました。COP10というのは、この前終わった「生物多様性」のCOP10です。COP16というのは、「地球温暖化」のCOP16です。

COPというのは「締約国会議」ということで、多国間の条約を結んだ国が集まって会議をするということで、10とか16とかいうのは10回目とか16回目とかいう意味です。ですからCOP10というのは単に第10回会議というだけのことですから、これだけでは何の会議かわかりません。今度COP16になる地球温暖化も、何年か前にCOP10をやっていたはずです。

ですから正式には「〇〇〇のためのCOP**」といわなきゃいけないはずなのに、肝腎の「〇〇〇のための」を省略して「COP**」の部分だけじゃ何のことかわからないはずです。

でも日本のマスコミはすぐにCOP10だのCOP16だのと言って、それがどの会議かということくらいは、COP10ならどの会議、COP16ならどの会議とすぐにわかるようにしておけと読者・視聴者に押し付けているようにみえます。これはやはりマスコミの怠慢あるいは横暴じゃないでしょうか。こちらも忙しいんですから、いちいち何の会議が何回目かなんて覚えているわけがありません。何しろ会議の回数はその都度どんどん増えていくんですから。

今開かれている国会だって、第何回の国会だなんてことを意識している人はほとんどいないでしょうし、オリンピックやサッカーのワールドカップだって、どこでやった(やる)大会か、というのは覚えていても第何回の大会かなんてことを知っている人はよっぽど好きな人だけでしょう。

で、マスコミにはもう少し丁寧に「〇〇〇のための」を付けてもらいたい、「**回目」なんてのは言わなくても構わないから、と言いたいのですが、まぁ聞いてはもらえないでしょうね。

民主党の閣僚の問題発言

11月 22nd, 2010

法務大臣がついに辞めさせられることになったようですね。

仲間内の会で軽口をたたいたら、「国会軽視」だと袋叩きにあってやめざるを得ない所まで追い詰められたようだです。
国会軽視だというのであれば、その発言を国会でした時に問題にすれば良いのに、それをしないで外の会合で言ったことを盾に取って国会での発言を問題にするというのは、どうも筋が違うような気がします。

「個別の事案について・・・」にしても「法と証拠にもとづいて・・・」にしても、その発言だけじゃ問題にすることができないから、問題にならなかったんでしょう。法務大臣がどんなつもりでこの言葉を使ったのかはわかりませんが、議論というのは言葉でやるものですから、「どんなつもり」ということでなく、「どんな意味」ということで議論しなきゃならないものでしょう。
もしこの発言が問題だったら、その場で「どんな意味ですか」と質問すれば良いはずです。まさか「こう答えておけば良いと言われていますから」なんて答えは返ってこないはずですから。

でも国会の会議に議論を期待する方が間違っているんですね。与党も野党も議論するつもりなんかこれっぽちもないんですから。閣僚の足を引っ張ってやめさせればそれが野党の得点になるというシステムのようですからね。

仙石さんが「自衛隊は暴力装置」といったのに大騒ぎして撤回させたというのもその伝でしょう。自衛隊が暴力装置なのは当然のことで、警察も海上保安庁も裁判所も刑務所も暴力装置であるのは当然でしょう。人を閉じ込めておいたり強制的に働かせたり、あるいは死刑だといって殺したりするのは、暴力以外の何物でもありません。

「暴力」だということをまずきちっと認識しておいて、その上でその暴力の暴走をどのようにコントロールするかと考えるのがまっとうなやり方ですが、暴力を暴力でないなどと言い換えたりしているとコントロールが効かなくなってしまいそうな気がするんですが、国会議員の先生方は何を考えているんでしょうね。
もし自衛隊の人達が自分達のことを暴力装置だと言われて腹を立ててるんだとしたら、むしろその方が怖いんじゃないでしょうか。戦前の日本で帝国陸海軍の軍人さんに「暴力装置」なんて言ったら、どんな酷い目に遭わされたかわからないなと思うと、この言葉を非難して大騒ぎした人達がちょっと心配ですね(とは言えその人達もそれほど本気で考えてのことじゃなくて、単に仙石さんの足を引っ張ろうとしただけでしょうから、あまり心配するほどのことじゃないでしょうが)。

自衛隊にしても警察にしてもほとんどの人は自分たちが暴力装置であることをしっかり自覚して任務についてくれていると思いますので、国会議員の先生方のたわごとは別に気にしなくてもいいのでしょうが。

年金の雑所得の計算

11月 15th, 2010

二重課税の雑所得の計算について、
所得税法施行令の改正の内容の解説資料

「相続税等に係る生命保険契約等に基づく年金に係る雑所得の計算について」

の解説を書いてみました。

年金の雑所得の計算

財務省・国税庁のお役人の苦労のあとは良くわかるのですが、金利計算の基本通りに計算すればもっと単純明解になるのになぁと思いました。

国税庁のホームページにある解説資料を読む参考にして下さい。
あるいは雑所得の計算に使う「調整年数」だとか「特定年数割合」だとかが一体どのように計算されたのか知りたかったら、よんでみて下さい。

保険業法改正の改正 (その2)

11月 15th, 2010

「保険業法の一部を改正する法律の一部を改正する法律」が成立しました(11月4日衆議院本会議・11月12日参議院本会議 どちらも全会一致)。
いわゆる無認可共済を主な対象に、特定保険業者・少額短期保険業者という制度を作った「保険業法の改正」を改正し、今度は「認可特定保険業者」という制度を作る法律が国会で成立しました。
これでいよいよ公益法人も共済事業の継続ができるようになり、新しい社団法人・財団法人への組織変更も進み始めることでしょう。
事業継続を断念した無認可共済でこの制度を使って復活を目指す所がどれ位あるかも、興味深いところです。

北方領土

11月 15th, 2010

菅政権、マスコミにさんざん叩かれてますね。
特に外交問題で、尖閣諸島にしろ北方領土にしろTPPにしろ、ボロクソですね。
私はみんなそれなりに、なかなかうまくやっていると思っているんですが。

ロシアの大統領が断わりもなしに北方領土に行ったのがケシカランと大騒ぎですが、むしろこれはチャンスだと私は思います。
マスコミは北方領土は日本のものなんだから、すぐにでもタダで日本に返すべきだと思っているのかも知れませんが、戦争で負けて取られてしまった領土ですから、返してもらうにはそれなりの対価を払うのは当然でしょう。沖縄返還の時だってアメリカにかなり払ったはずですし、今も払い続けているのかも知れません。

民主党が政権を取って鳩山さんが「北方領土の解決」と発言した以上、ロシアとしてはどれ位払ってくれるのか、かなり期待が高まったのじゃないでしょうか。でもそれ以来民主党政権から何も言って来ないので、催促の意味で大統領が訪問してみせたということでしょう。

要はロシアとして「早く値段を言ってよ」ということでしょう。そうでなければ大統領が用もないのにわざわざ北方領土に行くわけがありません。
日本としては返してもらいたい。ロシアとしては値段次第で返しても返さなくても良いということであれば、最初に値付けをするのは日本の方でしょう。
日本のマスコミも日本人の多くもあまり意識していないようですが、日本は今でも世界有数の経済大国ですから、ロシアなんかにすれば喉から手が出るほど早く値段交渉に入りたいことでしょう。
でも日本の方はどうかと言えば、いくらと言えば良いかどころか、お金を払って返してもらうという意識すらまだまだといった段階ですから、菅さんも身動きが取れないでしょう。鳩山さんはどうせ「友愛」で返してもらえる、くらいの考えで、値段のことなんか考えてはいなかったでしょうから。

これを機会に、どんな値段でどんな条件で返してもらうかという議論が行われれば良いのですが、今のマスコミの情報を見ていると、何の議論もしないで管さんの弱腰を攻め立ててお終いということになりそうですね。

ビデオ流出

11月 12th, 2010

尖閣のビデオ流出事件、大騒ぎですね。
日本では大騒ぎですが、中国の方は落着いたのでしょうか。あまりニュースが入ってきませんね。

海上保安庁の保安官(何かカッコイイ名前ですね)が自分がやったと言って、警察はまだ逮捕もできずに事情聴取を重ねていますが、国会では責任問題議論で大変なようです。
海上保安庁長官をやめさせるとか、国土交通大臣をやめさせるとか言ってますが、一体何のためにやめさせるんでしょうね。

内閣の方は、情報流出は「国家機密の漏洩だ」と言っているんですから責任問題になるのはわかるんですが、野党の方は早くビデオを公開しろと言っていたのが公開されて、国土交通大臣に何の責任を取らせようというんでしょう。

ビデオを流出させた保安官が「正しいことをした英雄だ」というなら、別に誰も責任を取る必要はなさそうに思うのですが。

「二重課税」の税制改正の中味(つづき)

11月 4th, 2010

前回のコメントで、「国税庁から今週中にそのあたりの説明資料が発表されるはず」との財務省の回答に「本当かいな??」と思ったと書きましたが、本当に説明資料が出ていました。
「今週中に」という先週中には出なかったので「やっぱり・・・」と思っていたのですが、今日確認したら11月1日付で10月29日の発表資料だということで

相続等に係る生命保険契約等に基づく年金に係る雑所得の計算について(情報)

というものが出てました。
何と本文49ページ、表紙と目次を入れると52ページの丁寧な解説で、具体的な計算式や図を使った説明もふんだんに盛り込まれています。

なかなか親切だなとも思いますが、やはりそもそも論としてこんな50ページもの解説が必要な所得計算自体、何かおかしいなぁと思ってしまいます。

法律(所得税法施行令)を読んでも混乱するばかりでわからないと思いますが、この解説を読めば何をどう考えて計算しているか、良く理解できそうです。
興味があったら見てみて下さい。

保険業法の改正の改正

11月 4th, 2010

「保険業法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律」がどうやら衆議院は通過し、今月中には参議院も通過して無事成立することになったようです。(11月3日の日経新聞には、衆議院財務金融委員会で「全員一致で可決され今国会で成立の予定」となっていますが、衆議院のホームページではまだ「審議中」になっています。)

この法律、この前の国会に提出され、継続審議になっていたものです。

いわゆる無認可共済を特定保険業者として届け出させること、また少額短期保険業者という保険事業の制度を定めたのが、この元となる「保険業法等の一部を改正する法律」ですが、そこで取り残されていたのがいわゆる公益法人(社団法人・財団法人)の共済です。
この前の保険業法の改正では公益法人の共済は届出なしに特定保険業者として共済事業を続けることができたのですが、公益法人の制度が新しくなり、これまでの公益法人も新しい制度にもとづく一般社団法人・一般財団法人に衣替えしなければならなくなっています。
その際、この特定保険業者としての共済も続けることができず、一般社団法人・一般財団法人として少額短期保険業者の登録を受けるか、あるいは新しく少額短期保険の会社・保険会社を作るか、あるいは他の会社に保険の引受けを移さなければならなくなっています。
でも少額短期保険業者が扱える保険契約は範囲が制限されているので、従来からの保険をそのまま続けることができるわけではありません。

そこで今回の法律の改正で、前の法律が施行されたとき(2006年4月1日)に行なっていた共済をそのまま続けるだけであれば、それが可能となるような「認可特定保険業者」という制度を新たに作るというのが今回の法律の主旨です。

これに合わせ、この前の保険業法の改正で、それまでやっていた無認可共済を続けることができなくなってしまったためにやむなく廃業してしまった共済についても、新しい一般社団法人あるいは一般財団法人として登記することにより、この認可特定保険業者として共済を続けることができるようにするというものです。

これでどれだけの認可特定保険業者が生れることになるのかわかりませんが、アカラックスでもそのためのコンサルティングをする機会があるかも知れません。
とはいえ少額短期保険業者は今の所60社余りできていますが、うまくいっているという所はそんなに多くはないようですから、この認可特定保険業者もどれくらいできてくるかわかりません。

また、少額短期保険業者はその監督を金融庁が各地方の財務局に委任していて、そのために当初かなりの混乱がありましたが、今回の認可特定保険業者の監督は都道府県ということになり、またまた都庁・県庁のお役人が今までやったことのない仕事をすることになりますので、落着くまで当面の間、多少の混乱は免れません。

今月中に法案が国会で成立するというのは、その後の政省令を考えるとすると、来年の4月頃から実際に動きだすのかなと思います。詳細はその政省令を待って・・ということになりますが、具体的な相談があれば、アカラックスでも相談に応じます。