少額短期保険業者向けの金融庁の監督指針

2月 27th, 2006

無認可共済の保険会社化の保険業法改正に関し、昨年末に

保険業法のより具体的な規定である、保険業法施行令・施行規則等の
改正案が発表されていますが、このさらに実務的な詳細を規定する
「監督指針」が2月24日に公表されました。
http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/hoken/f-20060224-4.html

http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/hoken/f-20060224-4.pdf

例によってパブリックコメントの形での公表で、意見募集の締切は
3月23日です。

これを受けて3月末までに最終案を固めて公表し、4月1日からの
法改正の実施に備えるということになります。

保険会社用のものはすでに「保険会社向けの総合的な監督指針」
という形で数百ページにわたるものが公表されていますが、今回の
監督指針はこれを改訂するということではなく、その別冊として
「少額短期保険業者向け」を追加する形を取るようです。

これ自体は56ページですからそれほど膨大なものではありません。
とはいえ基本的に「保険会社向けの監督指針を参照しつつ対応
しなさい」ということになっているので、実質的に保険会社向けの
監督指針も見なければならないことになりそうです。

ざっと見た感じでは、やはり少額短期保険業者というのもかなり
ハードルが高いな、保険会社なみの体制が求められているな
という感じです。

少額短期保険業者は取扱い商品の幅や事業の規模も様々なので、
この監督指針を機械的・画一的に適用しなくても良いという表現も
ありますが、一方で形式的に監督指針の内容を満たしているからと
いって、それで良いとも言えないという表現もあります。

さらに少額短期保険業者を監督するのは金融庁で、この監督指針を
作ったのも金融庁ですが、実際の監督実務を行なうのは財務省の
下部機関である財務局だという形になっているため、財務局と
金融庁がうまく連携できるかどうかという不確定要素もあります。

ともかくこの監督指針(案)が公表されたことにより、少額短期
保険業者を作る(あるいは少額短期保険業者になる)具体的な
作業を開始することができます。またそのための所用日数の
見積りもできるでしょうから、無認可共済の保険会社化の具体的な
スケジュール作りも可能になります。

ともかく、どんなものか見てみて下さい。

坂本 嘉輝

防衛施設庁解体

2月 2nd, 2006

日本というのは素晴らしい法治国家ですね。

防衛施設庁の談合問題、国会で取り上げられて、あっという間に防衛施設庁が解体されることになったようです。

防衛施設庁というのは国の法律にもとづいて設置されているものなのですから、「解体」のためには法律改正の国会審議が必要だと思うのですが、そんなことお構いなしに所管大臣が「解体します」と発言すればそれで済むようで、その発言を誰も問題にしない。

マンションの構造偽装問題やライブドアに対する検察の対応も同じですが、中学や高校の社会科の先生は法律をどのように生徒に教えているんでしょうね。

ヒューザーとライブドア

2月 1st, 2006

建築の構造偽装問題、ヒューザーが地方公共団体を相手に、検査会社を相手に損害賠償の訴訟を起こし、またマンション購入者はヒューザーの破産申し立てを始める等、ようやく動き出しました。

ライブドアの素早い逮捕劇に比べ、構造偽装問題では誰も捕まらず今まで放置されていますので、関係するどの会社も(政治家も?)準備はもう十分でき上がっているという所でしょうか。

ライブドアの方は凄まじいですね。週の頭に強制捜査をしてしまい株式市場を大混乱させてしまったので、これを沈静化するために急遽主要メンバーを何人か逮 捕し、そちらの方からの発言を止めてしまったので、市場もようやく落ち着きを取り戻しています。何の根拠もないのですが、検察の方はまだちょっと準備不足 だったんじゃないかというような気がします。

検察は逮捕したメンバーを拘留し続けて口封じをした上で、どこから出てくるのか毎日毎日洪水のような「新事実」をマスコミでたれ流し、完全に「ライブドア=悪」のイメージを作り上げてしまいました。利用される一方のマスコミもだらしがないものです。

今の所ホリエモンだけは頑張り続けているとのことですが、どこまで頑張り続けることができるか、見守りたいと思います。

いずれにしても、さしもの小泉マジックも自民党大勝の選挙が終わってみればこれほど急速に消えてしまうものかと、目を見張るばかりです。もう誰も 小泉さんの言うことを気にしなくなっているようです。これだけの問題を抱えて、9月の自民党の総裁選はどんなことになるんでしょうか。今年も何かと騒がし い1年になりそうですね。

無認可共済の保険会社化に関する特別セミナー

1月 31st, 2006

昨日無認可共済の保険会社化に関する特別セミナーを開催しました。午後1時半から5時まで、途中10分間の休憩を2回取りましたから、正味3時間10分、最後の質疑応答の部分は1時間弱、セミナー会場の予約時間のぎりぎりまで、熱心な質問が続きました。

参加者は50人。同じテーマでの特別セミナーは今回で4回目ですが、今までにない参加者の多さです。会場を広い会場に変更することを2回行って、ちょうど良い位の会場になりました。

いよいよ4月から新しい保険業法が適用され、共済関係者ももう動き出さなければいけないと感じているのに、まだ何をしたら良いのかわからない。質問しようにも、お役所の方はそれを受け入れる体制がまだできていない、ということでしょうか。

昨日のセミナーではかなり具体的な質問が次々に飛び出しました。参加者は自分のビジネスがどうなるか切実な問題意識を持っていますので、質問に答えるこちら側もしっかりしなければいけません。かなり真剣な受け答えになったのではないかと思います。

全体的な話はもうそろそろ終了して、あとは個別のケースごとに具体的な作業の相談に乗ったり、作業を手伝ったりという段階かなと思っています。

当初、無認可共済の良い所は積極的に取上げて育てて行こうという姿勢も、金融審議会の報告書の中にはあったのですが、法律の改正案やそれに関する金融庁に よる説明会の話などからすると、どちらかというと無認可共済を今の保険会社の枠組みの中にはめ込んで、その中で生きていけない所は2~3年かけて整理して しまおう、というような姿勢が強いように思われます。

実際フタを開けてどのようなことになるのか、注目したいと思います。

無認可共済の説明会と特別セミナー

1月 27th, 2006

ちょっとドタバタして報告が遅くなりました。

24日の金融庁の説明会、行って来ました。
300人位の入る会場がほぼ満杯で、会場の左右の壁際、後の方の席は机なしです。
2時間の予定の説明会、最初の1時間半は金融庁の方からの一方的な話、残りの30分が質疑応答ですが、質疑応答を始めるにあたり「1団体質問は1つだけ」 などという制限をつけられてしまったので、となると、たくさんある質問のうちどれを質問しようかと、多少の戸惑いが見られました。

いずれにしてもまだまだ不明な所も多いのですが、説明会後の様々な質問については、いずれは各財務局で対応できるようにするけれど、当面は金融庁監督局保険課の方で対応するので、「法律その他の資料を良く読んで勉強した上で」質問して下さいということでした。

予定通り2時間ぴったりで説明会が終わりました。私が出席したのは午前の部ですが、午後の部もほぼ同じようなものだったとのことです。

私の会社で行なう予定の30日の無認可共済の特別セミナーの方は、お陰様で参加申込が予想以上に増えており、当初30人位の会場を用意したのを先週50人位の会場に変更し、今日さらに100人位の会場に変更しました。ここまですればもう大丈夫でしょう。

今まで3回行った特別セミナーは30人の会場で十分だったのですから、様変わりの活況です。
この週末はその資料作りということになります。

無認可共済の保険会社化の金融庁の説明会(つづき)

1月 21st, 2006

無認可共済の保険会社化の金融庁の説明会ですが、当初予定の10時からの分が木曜日にはすでに『会場の都合上、締め切らせて頂きました。』となり、午後2時からの分が追加されたのですが、こちらも土曜日には同様に『会場の都合上、締め切らせて頂きました。』となりました。
私もずっと見ているのではないのでもっと早く締め切りになっているのかもしれません。
また追加のスケジュールが組まれればいいのですが、申し込みが遅れた人はどうなるのでしょう。
すごい人気ですね。

私の会社でやるセミナー
http://www.acalax.jp/hp/seminar/tokuki-annai.htm
もこれくらい人気があるといいのですが。

風説の流布

1月 19th, 2006

ライブドアショック、すごいですね。

東証の取引を全部ストップさせ、外国のマーケットまで巻き込んで株価を暴落させた、というのはそれほどライブドアの存在が大きかった、ということなのでしょうか。

ライブドアが不正会計と虚偽情報の発表による風説の流布でたたかれているのですが、それを報道するマスコミ自身、ライブドアに関する風説の流布をしている、という面白い構図です。

マスコミがそろって活発に風説の流布を競うと、もはや風説の流布の違法性はどこかに行ってしまうのでしょうか。これだけ大量に風説が流布されるともはや誰を罰する、というわけにも行かないでしょう。

本来であればこれにストップをかけるべき東証も政府も一緒になって盛んに風説の流布をしているのですから、この騒ぎが終わった後、この問題をどのように整理することになるのか多いに興味があります。

これを機会に風説の流布を禁止するルール自体を廃止するのでしょうか。

ニッセイの保険料の引き下げ

1月 17th, 2006

ニッセイが保険料の引き下げを発表しました。
とはいえ対象は一時払終身、一時払養老、一時払年金だけで、予定利率の上げ幅も0.05%とか0.1%とかの微々たるものです。
その割にマスコミの取り上げ方はかなりのものでした。
やはり、マスコミはじめ世間はもうそろそろ保険料の引き下げ、あるいは予定利率の引き上げ、投資魅力の引き上げを切望しているのではないでしょうか。

ライブドア

1月 17th, 2006

今日はヒューザーの社長さんの国会での証人喚問やら神戸震災11年やら宮崎勤やらニュースが山盛りですが、やはりライブドアが一番注目されていたようです。
普通、この手のマーケットに大きな影響を与えるような話は金曜の晩から土日にかけて話題になるのですが、今回は週明けの月曜の夕方です。
このタイミングの取り方がなんとなく気になります。
どうしてなんだろう。誰が決めたんだろう、ということです。

無認可共済の保険会社化の金融庁の説明会

1月 17th, 2006

無認可共済の保険会社化に関する政省令の改正案について、金融庁が今日、24日に説明会を開催する旨を発表しました。
http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/hoken/f-20060117-2.html

私のところでも30日にセミナーを開いてこの政省令の改正案について説明することをお知らせしていますが、ここのところ急激に照会の電話やメールが増えています。
多分金融庁にも多数の質問が殺到しているんだろうと思います。
相手が保険会社その他の金融機関であれば許認可権限を振りかざして高飛車に出られるかもしれませんが、相手がまだ保険業法の規制下に入っていないうちはそうも行かないのでできるだけ丁寧に応対しなければならない。
とはいえ4月からの施行に向けてやらなきゃならないことは山ほどあってとてもそんな照会にいちいち丁寧に答えている時間はない。
そんなこんなでみんなまとめて説明会、となったのかな、と思います。

説明会は参加申込をして、参加証をもらって参加する、という形ですから参加する予定の方は早めに手続きをしたほうが良いかもしれません。
もちろん私もこの説明会には参加してその中身も(必要であれば)30日のセミナーにも盛り込むつもりです。