2011年7月11日 のアーカイブ

佐藤優さんのエッセイ

2011年7月11日 月曜日

7月に入り、週刊金融財政事情いわゆる「キンザイ」に佐藤優さんのエッセイの連載が始まりました。

例の鈴木宗男さんと一緒に逮捕されて有罪判決を受けた元外務省のお役人、いわゆるラスプーチンと呼ばれた人です。

国策逮捕で有罪になった人に連載を頼むのも、金融庁の広報誌でもあるキンザイも大したものですが、その内容は期待に違わず素晴らしいものです。

7月4日号の第1回は、現在の政界事情を見事に解き明かす1冊の本の紹介から始まります。

『個々の指導者の責任が軽くなればなるほど、自分は哀れむべき程度のくせに、人並みに国民に対して不朽の努力を捧げるために招かれていると感じているものの数も多くなってくる。』

そしてその責任を果たすために、それを邪魔する自分より前にその地位について中々そのポストを明け渡そうとしない人を引きずり下ろそうとする、ということで、小泉さん以降の頻繁な首相交代を解説しています。

その上で、その本があのヒトラーの『わが闘争』の一節だと種明かしをします。

同じ本の中から
【多数はいつも愚鈍の代表であるばかりでなく、卑怯の代表でもある。百人の馬鹿者からは実に一人の賢人も生れないが、同様に百人の卑怯者からは一つの豪胆な決断も出てこない。】

という言葉も紹介されます。そしてマスコミが「誰がなっても日本は変わらない。どうしようもない」というニヒリズムを撒き散らすようになり、ヒトラーの登場につながる・・というお話です。

本物のエッセーは直接読んでみて下さい。はるかに面白いですから。

2回目の7月11日号は、沖縄の普天間問題に関して、鳩山さんのドタバタの結果、不平等の問題が差別問題に変わったということを明らかにしています。

佐藤優さんは太平洋戦争の沖縄戦の女子学生部隊の生き残りを母親にしている、半分沖縄人ですから、その議論にも説得力があります。
ここで佐藤さんが紹介しているのが、沖縄とグァムが日米の植民地となっている現状を打破するため、協力して独立運動を進めつつあるということです。

見開き2ページですから、本屋の立ち読みでも簡単に読めそうです。

もし「キンザイ」を見ることができるのであれば、是非読んでみて下さい。これから毎週このような切れ味鋭い文章が読めると思うと、楽しみです。

やらせメールとストレステスト

2011年7月11日 月曜日

最近、以前に増してニュースが理解できなくなってきたようです。

その一つは九州電力の「やらせメール」の問題です。私がニュースを見る限り、九州電力のやったことは「テレビ番組があることを知らせてその番組に意見をメールで送るように連絡した」というだけのことで、何がこれ程大騒ぎをするほどの問題なのか、わかりません。

多分反原発の運動グループも同様に、仲間にメールを送って反原発の意見をメールで送るように連絡していると思うんですが、そっちの方は問題にならないんですね。

もう一つはいわゆるストレステストの問題です。

どうも原発の安全性を確認するために、今回の震災による原発事故を踏まえて新しいテストを導入しようということのようですが、そのテストのために原発が止まってしまうというのがわかりません。

今まで動いていたものを新しいテストをするからといって、その新しいテストの内容もまだ決まっていないのに、そのテストを実施するまでは原発を動かすなというのですから、大変です。

これは言ってみれば、たとえば
【自動車事故が多発するので、車の安全性を高めるため車検の内容をちょっと変更することになりました。それでその新しい車検の内容はこれから早急に検討して決めますから、それが決まって新しい車検に合格するまでは車の運転はやめて下さい。】
というようなものです。こんなことをやったら大混乱ですよね。

私が知っている保険業界の規制であれば、たとえばソルベンシーマージン規制というのがありますが、その規制を導入する時は、実際に導入する前に試行をし、その試行している事も試行の結果がどうだったかということも、当面公表しないでやっています。

それで試行の結果、どのレベルの規制であれば大丈夫か検討すると同時に、そのレベルで問題のある会社については早急に何らかの手当てをして、問題のないレベルまで改善させた上で初めて新しい基準を発表し、その基準に照らして「問題のある会社はない」という発表をしていました。

もちろんその間、保険会社の営業をストップさせる、なんてことはありません。

これと比べると今回の原発のストレステストの問題は、あまりにも唐突で準備不足のような気もします。
原発事故もようやく落着きつつある所ですから、もう少し落着いて考えても良いんじゃないかと思うのですが、そんな話は反原発の人にとっては聞く耳持たないんでしょうね。